図書館

非常勤と開館時間と

図書館に非常勤が多くなる理由 自治労の調べによると、自治体職員の3人に1人は非常勤職員ということです。図書館員は往々にして「図書館員だけが狙い撃ちにされている」と被害者意識をもつ方が多いですが、程度の差はあっても、実際にはどこの職場でもおこ…

文芸という名の芸に奔り、リテラシーを忘れる…

少し前の話題ですが、総務省自治行政局選挙部管理課が「常時啓発事業のあり方等研究会」最終報告書を公表しています。 「常時啓発事業のあり方等研究会」最終報告書の公表(平成24年1月10日 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei15_02000033.ht…

これからの図書館界は「5年制」?

日ごろの報いでしょうか。頭痛と嘔吐に見舞われ、検査入院から帰還しました。 本日は、そのリハビリということで、前回からの図書館ワーキングプア問題について、ですが… まず「雇用」ですが… 私は安定した(雇用)環境でなければ人材は育たない、と思ってい…

図書館を動かすのは若手なんだけど

このブログも終わりまで10日間を切りました。 過去のエントリを読み返しましたが、「小役人根性」丸出しのエントリばかりですから、読み手がなくなってしまっても正直無理もありません。 逆にいえば、私のように、図書館行政に正面きって取り組む図書館員…

バカな夢

このブログ(更新)もあと2週間たらずとないりました。書きもらしがないか、いろいろ考えながら「けじめ」をつけようと思っています。 昨晩、あれこれ考えていたせいかバカな「夢」を見ました。しかも舞台は図書館。 「夢」といえば… 睡眠中あたかも現実の…

図書館ワーキングプア〜quasi-marketと指定管理者をめぐって〜

休止まで2週間を切りました。 このブログをはじめて以来、ずっと考えてきたことは「図書館ワーキングプア」についてです。 やるせなさ、切なさ、無力感と罪悪感…様々な思いがよぎります。 いままで非常勤職員〜官製ワーキングプア〜について考えてきました…

図書館員のかいた汗は〜図書館員の競争原理と格差〜

図書館の格差 今日わが国は“選択と集中”がもてはやされ、格差〜勝ち組と負け組、富める者と貧しき者〜が二極分化する“格差社会”にあると指摘されています。 『中小都市における公共図書館の運営(=中小レポート)』,『市民の図書館』が目指した公共図書館…

『市民の図書館』果てしなき独走の理由。

前々回のエントリで、『市民の図書館』の成立について考えてみました。 わかりやすさが身上の“貸出し重視”は、当時の図書館員の支持することになったことは周知のとおりのことでした。 私は、過去のエントリで、巷でいわれる『市民の図書館』大成功の裡には…

“5年間だけ安心して働ける”といわれても〜労働契約法の「改正」と図書館司書〜

「労働契約法」改正と図書館員 すでにご存知の方も多いかもしれませんが、「労働契約法」が改正されました。 ・労働契約法が改正されました〜有期労働契約の新しいルールができました〜(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_ro…

救いようのない図書館界にて

いよいよ10月。このブログを閉鎖する月を迎えてしまった。 「閉鎖」というよりも、「休止」のほうが正しいかもしれない。私は亡き父との約束があって、退職後、病院図書館ボランティアをするつもりである。その際、ブログとかはてなダイアリーが存続してい…

館(トリデ)の上にわれらの世界を?

私の図書館員集団への違和感 私が、はじめて図書館の世界に足を踏み入れてから20年近くになります。行政職>図書館>行政職という流れの中で、地方公共団体全体からみた公立図書館との違和感・異質感を終始感じ続けていました。 私は当初、この違和感のよ…

平成図書館行政史? 〜指定管理者図書館はかくして生まれたり〜

前回エントリで、指定管理者制度を社会教育施設に導入することは、法的に“ありえない”ことを申し述べました。 なぜ「盲点」となったか? このような重大な局面で、なぜ判断をあやまり、「盲点」になってしまったのでしょうか。まぁ、日本図書館協会とか現役…

【これは盲点】公立図書館の指定管理者制度は“ありえない”【ビックリしたなぁ】

高飛車から土下座へ 前回のエントリでは、 図書館員には「井の中の蛙」状態になっていて、法的リテラシーも基礎知識もない と、かなりバカにしたことを書いてましたが、元司書職であるその私も例外ではなかったようです。 これからお話しする内容に、10年…

武雄市立図書館のTポイント付与はやはり問題である〜税収からTポイントへのすりかえ〜

Tポイント付与を考えてみる Tポイントツールバーやスターバックス参入でいろいろ話題の武雄市立図書館。 当ブログにおいても、いろいろネタにさせていただきましたが、今回はいよいよ核心である 「Tポイントの付与」 に、ついて考えてみましょう。 これま…

白い司書でも黒い司書でも…

ひとしきり、赤い彗星のごとく出現し、人気をあつめたブログ。 ・yuki_0の日記 http://d.hatena.ne.jp/yuki_0/ この中で、ひさしぶりに愉しいものを読ませてもらいました。 ・そろそろ民間は図書館にはそぐわない,って単純にいうのはやめようぜ http://d.ha…

私の「読書(本の)案内」と「見切り」

さぁ、私の「読書(本の)案内」を語らせてもらいましょう。 以前、知り合いの方から 「オマエのブログは(図書館員にとって)痛いところを突きすぎている」 といわれたことがありました。 おそらく、言外に 「オマエは(外野で)云いたい放題でいいよな」 …

「本の相談」はなぜ否定されたのかⅡ〜奉仕対象の異動「集団から個人へ」を巡って〜

とある事典の記述 前回エントリでは、「本の(読書)案内」について触れました。今回も自分の経験と重ねて考えてみたいと思います。 私は学校図書館勤務経験がありますが、埃をかぶったかなり昔の本が「現役」であることが学校図書館の良さ(?)でもありま…

「本の(読書)相談」は、なぜ「否定」されたのか

読書案内と強硬な反対論 あまりにも有名なこの本図書館運動は何を残したか―図書館員の専門性作者: 薬袋秀樹出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2001/05/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (7件) を見るその中で「読書案内」に…

Overtake! 〜追い越される幸せ〜

Introduction 私が公民館報を編集する仕事について、その中で公民館と併設している図書館分館とそこで働く委託スタッフと接点ができ、 ・私がチラ見した「ベストセラー」重視・偏重1 http://d.hatena.ne.jp/hatekupo/20120520/1337516679 本館…

元気だった大阪の足跡を潰して、“元気な大阪をとりもどそう”とは変じゃないの?

前回に引き続き「政治」ネタになってしまいます。正直自分はこの方面にはあまり触れたくないし、自分としても面白くないネタですが… 大阪府立中之島図書館の存続が話題のようです。特に個人的によくまとめてある、 ・中之島図書館廃止に関する自分用まとめ(…

図書館員リクエストアワー

司書が「本をすすめる」功徳 先日、「公民館報」の図書館関係原稿がまるでダメなことをお話しました。 ・私がチラ見した「ベストセラー」重視・偏重1 http://d.hatena.ne.jp/hatekupo/20120520/1337516679 大きな声では言えないのですが、わが公民館内にあ…

(Web)OPACが推進した「ベストセラー追従・集中・偏重」〜私がチラ見した「ベストセラー」重視・偏重2

無料図書館大戦争の戦時下で 「公共図書館無料貸本屋」「ベストセラー重視・偏重・追従」をめぐる論争が勃発したのはおそらく21世紀に入ってからのことだと思います。ここで話題となったのが“貸出し”をテーゼとした『市民の図書館』です。 論争の中で疑問…

CCCと武雄市図書館の提携を前向きに考えると、どうやら最強の貸出至上図書館ができそうだ。

図書館関係ブロガーのみなさんには先刻承知のとおり、CCCと武雄市図書館の提携が話題になっています。 ・【TSUTAYA図書館問題】Facebook市長がセキュリティ専門家に「公開討論を」「お背中流しまーす」と誘うも断られ「卑怯だ」経産省や国会議員経由で圧…

TRCによる“共食い”の理

図書館員とTRCのビミョーな感覚 株式会社図書館流通センター(=TRC)が、1996年から図書館業務受託を開始したことで、図書館職員とTRCの間にはビミョーな距離感が発生しています。 従来あったはずの、客と請負、カスタマーとサプライヤー、主…

図書館界の“暗黙の妥協”が“総務省の「転戦」”で丸潰れ?

ギョーカイは「指定管理者」だけNGでOK? 前回のエントリは、OJTの活用として、あまりにも 「当たり前のこと」 を書いたので、正直あまり面白くありませんでした。 ここからが本題と思ってください。 ・日本図書館協会の見解・意見・要望 http://www.…

図書館学教育・図書館情報学教育に過剰な要求をする「現役正規諸君」が図書館をダメにする

お決りのセリフ 3月になりましたね。地方自治体の(会計)年度末・年始も近づいてきました。 最近の公立図書館@直営では、人事異動よりも 非正規職員の雇用打ち切り による出入りの方がよほど多いような現状も耳にします。 4月になると、新たに採用された…

TRCが「独占」しているのは「高度な専門性」

ハイタッチできない!? AKB48が、毎年恒例の“桜ソング”をヒットさせています。GIVE ME FIVE!【多売特典生写真付き】(通常盤)(Type-A)アーティスト: AKB48出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2012/02/15メディア: CD購入: 2人 クリック: 108回この…

司書とTRCは…

出版流通の話題から、例によってのスピンアウトでMARCを(よせばいいいのに当店で)取り扱いました。 そんなワケで、今回も前回に続いてMARCの話題です。 前回までの流れですと、TRC(ここまできたら、実名出してしまえ)あたりに、自分が批判的…

選書の重みを本当に知るなら…

前回、よせばいいのに「図書館委託史」について、生意気にも勝手なことを述べました。 私は図書館の委託事始めを「電算化とMARC」と仮定してしまいましたが、実際のところその根っこは深いことをid:shomotsubugyo さまのコメントでご教示いただきました…

目録も装備も選書も、みんなまとめて委託しちゃえ!

図書館委託史 前回に引き続いて、ヤバい話、図書館と出版流通の話です。 が、その前提として「図書館委託史」を振り返ってみましょう((ただし、図書館の本質的役割以外の分野、たとえば施設メンテナンス(空調・消防設備点検・エレベーターリフト点検・施…