図書館史

図書館員のかいた汗は〜図書館員の競争原理と格差〜

図書館の格差 今日わが国は“選択と集中”がもてはやされ、格差〜勝ち組と負け組、富める者と貧しき者〜が二極分化する“格差社会”にあると指摘されています。 『中小都市における公共図書館の運営(=中小レポート)』,『市民の図書館』が目指した公共図書館…

『市民の図書館』果てしなき独走の理由。

前々回のエントリで、『市民の図書館』の成立について考えてみました。 わかりやすさが身上の“貸出し重視”は、当時の図書館員の支持することになったことは周知のとおりのことでした。 私は、過去のエントリで、巷でいわれる『市民の図書館』大成功の裡には…

館(トリデ)の上にわれらの世界を?

私の図書館員集団への違和感 私が、はじめて図書館の世界に足を踏み入れてから20年近くになります。行政職>図書館>行政職という流れの中で、地方公共団体全体からみた公立図書館との違和感・異質感を終始感じ続けていました。 私は当初、この違和感のよ…

平成図書館行政史? 〜指定管理者図書館はかくして生まれたり〜

前回エントリで、指定管理者制度を社会教育施設に導入することは、法的に“ありえない”ことを申し述べました。 なぜ「盲点」となったか? このような重大な局面で、なぜ判断をあやまり、「盲点」になってしまったのでしょうか。まぁ、日本図書館協会とか現役…

私の経験した図書「官」

注:初歩的なミス記載のため、補記しました2012-8-13 関越タントの驚愕 先日、関越道を時速100キロで巡航していると、バックミラーに軽自動車が猛然と現れ、追い越し車線に車線変更して、瞬く間に抜き去っていきました。 察するに、160キロは出していたと思…

「本の相談」はなぜ否定されたのかⅡ〜奉仕対象の異動「集団から個人へ」を巡って〜

とある事典の記述 前回エントリでは、「本の(読書)案内」について触れました。今回も自分の経験と重ねて考えてみたいと思います。 私は学校図書館勤務経験がありますが、埃をかぶったかなり昔の本が「現役」であることが学校図書館の良さ(?)でもありま…

「司祭」と「司書」は一字違い

あまりにお粗末なオチ いや、前回のエントリ。最後のオチで失敗しましたね。 結局、「図書館員の専門性」よりも「書店のノウハウ」が優越した、という選択の問題でしょう。いいか悪いか別として… これでは武雄市というごく局地的かつエキセントリックな「選…

元気だった大阪の足跡を潰して、“元気な大阪をとりもどそう”とは変じゃないの?

前回に引き続き「政治」ネタになってしまいます。正直自分はこの方面にはあまり触れたくないし、自分としても面白くないネタですが… 大阪府立中之島図書館の存続が話題のようです。特に個人的によくまとめてある、 ・中之島図書館廃止に関する自分用まとめ(…

(Web)OPACが推進した「ベストセラー追従・集中・偏重」〜私がチラ見した「ベストセラー」重視・偏重2

無料図書館大戦争の戦時下で 「公共図書館無料貸本屋」「ベストセラー重視・偏重・追従」をめぐる論争が勃発したのはおそらく21世紀に入ってからのことだと思います。ここで話題となったのが“貸出し”をテーゼとした『市民の図書館』です。 論争の中で疑問…

日本図書館協会学校図書館の春〜なぜ図書館員はソーシャルメディアを嫌うか?〜

「公共」から「学校」へ 私は、公共図書館から(高等)学校図書館に異動して、ただちに日本図書館協会に部会の変更(公共図書館部会から学校図書館部会)手続きをしました。 日本図書館協会学校図書館部会(=JLA−S)では、主たる事業「夏季研修集会」な…

司書とTRCは…

出版流通の話題から、例によってのスピンアウトでMARCを(よせばいいいのに当店で)取り扱いました。 そんなワケで、今回も前回に続いてMARCの話題です。 前回までの流れですと、TRC(ここまできたら、実名出してしまえ)あたりに、自分が批判的…

選書の重みを本当に知るなら…

前回、よせばいいのに「図書館委託史」について、生意気にも勝手なことを述べました。 私は図書館の委託事始めを「電算化とMARC」と仮定してしまいましたが、実際のところその根っこは深いことをid:shomotsubugyo さまのコメントでご教示いただきました…

目録も装備も選書も、みんなまとめて委託しちゃえ!

図書館委託史 前回に引き続いて、ヤバい話、図書館と出版流通の話です。 が、その前提として「図書館委託史」を振り返ってみましょう((ただし、図書館の本質的役割以外の分野、たとえば施設メンテナンス(空調・消防設備点検・エレベーターリフト点検・施…

誰が移動図書館を殺したか?

我田引用 全世界的な経済の行き詰まり感から、マルクス=レーニン主義からケインズ理論に至るまであらゆる「古典」ともいうべき経済書が引っ張りだこのようですね。 最近の人気といえば、アダム=スミスの『国富論』。いわゆる“小さな政府ヲタ”“新自由主義”…

「市民の図書館」大躍進とモータリーゼーション。

貸出冊数の伸びはモータリーゼーション? 先日、左足を骨折・捻挫してしまいまして、禁足・悶々とした日々が続いています。 ふだんなら(健康を兼ねて)歩いていく本屋さんとかにも自動車利用です(ケガしたのが左足で、かつ愛車がオートマチックでよかった…

私の都道府県、レファレンスは貸出利用の消費税分です。

野田政権、支持率・高感度ともに上々の滑り出しのようですが、一応最低限度の“おねがい”として、様々な課題にぶち当たったときに逃げたり先送りしたりせず正面から対峙する姿勢を求めたいと思います。 さて、このブログでも「図書館史」に言及した以上、なる…

専門書・専門知と向き合えない司書は職務放棄である

墓穴掘るなら (承前) いやぁ、久しぶりに自分のトップページ見て、目を疑ったなぁ…正直ここまでブックマークが伸びるとは思いませんでした。目下自分としては「司書」としての告別式・葬式をやっているつもりだとのですが、リアル葬式で会場からハミ出すよ…

専門知をガン無視すれば、司書ほど素敵なショーバイはない?

舞踏会から断頭台への行進更新 司書としては「鬼籍」になった私ですが、さっさと、「成仏」というか、自らの「墓誌」を刻んでしまおうというワケでエントリ更新中です。ちなみに、今聴いている曲はベルリオーズベルリオーズ:幻想交響曲アーティスト: サイト…

三多摩の図書館運動は「市民運動」では語れない

(承前) 文科省による「図書館司書講習」もたけなわの季節かと思います。多くの方々が課題なりレポートなり、暑い中一所懸命だと思います。先ほどきまぐれに「図書館設置運動」をgoogleで検索したら、私のエントリが一番最初に列挙されてしまいました…

『市民の図書館』は、“図書館(設置)運動”の牽引車であったか?

8/7ブクマコメントに基づき、修正しました。サンフランシスコ講和条約を「ロサンゼルス」という基本的なミス。ご教示いただいた、GCW先生に感謝し、お詫びして訂正します。 図書館史とは… 私が受講した「図書館司書講習」の「図書及び図書館史*1」は、…

「大輪一輪」から「百花繚乱」へ、明日は図問研大会

本題に入る前に… 前回エントリ「6月27日の二つの集い(ALISと図問研)の顛末と、一つの試みへの期待」では、当日参加(ALISは「擬似参加」)した二つの集いについて感想を書きました。たまたま同日開催のものをひとまとめに書いただけですが、あとで読み…

今日は誕生日、なにも言うこと(書くこと)ナシ

昨日の 「文学館条例を眺めて気がついたこと」 夜分遅くにもかかわらず、id:literarymuseumさんがさっそくに、とりあげてくだいました。 ・文学館の法的根拠と図書館法 http://d.hatena.ne.jp/literarymuseum/20100202/p1 投げた球を受け取るというよりも、…

文学館条例を眺めて気がついたこと

ARGカフェ@筑波(2/13)の開催が近づいてきましたので、前回@横浜の模様を振り返るうち、 前回登壇者、文学館研究会の岡野裕行さん(id:literarymuseum)のことを思い出しました ・Literary Museum Studies http://d.hatena.ne.jp/literarymuseum/ 一司…

シャツ1枚じゃ風邪をひくぞ!

台風が過ぎ去ったら、肌寒いくらいの風になった…もう秋なんだなぁ。 今日も近所のフィットネスクラブに赴き、身体を動かす。ランニングマシン40分で250キロカロリーは消費したんだろうか。これで週末は甘いものを食べることができるだろう。で、走って…