“ユルユル”と“ネタ”と“ツナガリ”〜ARGカフェ&ARGフェスタおよび腰ヘタレ参加記 2

ライトニングトークのトップバッターは、
○岡野裕行さん(文学館研究会)
「文学資料はどこにある?」
文学館とは、
“文学の博物館であると同時に文学の(専門)図書館”
という問題提起。文学館は我が市にもあるが、正直いままで関心がなかった。図書館法第三条第九項の規定もあることだし、図書館と文学館との“ツナガリ”のこれからに期待したいと思う。
それにしても“文学館”は、盲点だった。

で、盲点といえば、
○江草由佳さん(国立教育政策研究所
「目は口ほどにものを言う?−Web情報探索行動における視線情報の分析」
CRESS(=Cognitive Research for Exploratory Search)での研究活動を紹介。むずかしい、とっつきにくいお話を予想していただけに、眼球運動の研究の話はおもしろかった。このような研究が使い勝手のよいOPACなどの開発に“ツナガル”ことに期待したい。
それにしても、ご本人ご自分の研究について
「やってわかったことは、やらなくてもわかっていた。」
という、傍目からみると少し身も蓋もないほどの率直さにも妙に印象的でありましたなぁ…

“ネタ”として面白かったのが
○大塚真吾さん(物質・材料研究機構
「研究コミュニティを俯瞰してみよう」
過去10年、40回分の研究会・シンポジウムを解析、マッピングしたもの。
マッピング結果は、まるでアメリカの航空会社の路線網のようで、ローカル=一人よがりな人、ハブ(空港)になる人、メガ空港=大御所な人、といった関係がみえてくる。
このあとARGフェスタでは、大塚さんのご好意で“続き”を見せてもらい、これまた笑えるのだが、だんだん話が「活用法」に進んでくると、急に現実めいた、ドロドロした感じになってしまった。やはり“ネタ”はあくまで“ネタ”として扱うことにとどめておくのがよいって…

同じく面白い“ネタ”だけにあくまで“ネタ”としてとどめておきたいと思ったのが
山田俊幸さん(山形大学工学部図書館)
「論文ったー作ってみた。」
CiNii-APIコンテストで落選したことはお気の毒であるし、個人的には誠に遺憾に存じます。が、我が国科学技術ぜんたいの方向性をかんがみれば、このようなオモシロ物件は表彰しないほうがいい。なぜって、あんまり注目を集めてしまうと、
「このような取り組みを行うことで、いったい何のメリットがあるのか?!」
とばかり、近頃話題の“必殺事業仕分け人”に、CiNiiはもとよりスポンサーの国立情報学研究所までもバッサリ斬られること請け合いじゃないかっ!