【図書館十字軍】日本図書館協会ステップアップ研修の「課題」で考えたこと【めざせ聖地(情報拠点)回復】

先週は、“横浜市内図書館的施設ツアー&図書館をネタに飲む会@横浜”に参加しました。とはいっても、肝心の飲み会自体は時間の都合で離脱、無念の気持ちからか、時間調整の82AleHouseではよせばいいのに、ビールを一気飲みして、横浜からおりよく湘南新宿ライングリーン車で居眠りするうち、カゼひいておりましたっけ。
で、当日の模様を掲載した

・ACADEMIC RESOURCE GUIDE(ARG) [ARG-437] 2010年7月27日
 http://archive.mag2.com/0000005669/20100727070543000.html

を昨日になってようやく拝見いたしました。
昨年、受講した日本図書館協会ステップアップ研修の様子が紹介されてました!
日本図書館協会中堅職員ステップアップ研修(2)で講義−「図書館のウェブ活用−理論編」
 http://d.hatena.ne.jp/arg/20100727/1280159346
今年度はTwitterを使うだけに研修生同士交流・意見交換の輪が広がることと、お察しお慶び申し上げたいところでありましたし、昨年受講者としては、少し羨望すらおぼえましたが…。
「課題」をみて正直驚愕、凍りつきました。
いちおう出題された課題をここでもバラしますと、

  1. Twitter/ブログを使った新しいサービスを実際に一つは、つくる。⇒開設
  2. そして、実際に運用してみた経験に基づき実務への導入課題を洗い出し、実務への導入を前提とした提案書をまとめ、それをブログで公開する。⇒提案
  3. 当日は自分の作品の目的と機能、運用結果と実務導入への提案を5分で発表する。⇒発表

いやぁ、正直昨年受講者でなくてよかったと胸をなでおろしました。
自分で課題をやらなくてもいいという安心感が出ると、逆に態度が鷹揚になってきまして、お下劣なハナシで恐縮ですが便意を催したので、
「ならば、この課題トイレで、考えてみよう!」
と思った次第。
洋式便器に座りこんで、前かがみ気味に右こぶしで顎を支えると、まさに「考える人」になった気分ですが、当然よいコタエは出せそうになく、しばらくトイレで模索しているうちに業を煮やした家人の催促のノックで、我に帰りました。
まぁ、このような課題に絶望してしまう自分の無能さに呆れもしたし、やはり司書からキッパリ足を洗ってよかった*1とも思いました。

まず考えたのが「ソーシャルメディア」の特性である双方向性を活かす、ということでしたが、自分のような図書館司書は所詮、新聞・雑誌・書籍などのマスメディア(=一方通行)に依存していたことでしたから、なかなか思い浮かばないのです。強いていうなら、最近はインターネット予約で利用者番号+パスワードでログインする仕組みになっていますから、MY−OPACとして、Web−OPACを自分でカスタマイズできるように出来るようにしたり、利用者専用のSNS設置も考えてみましたが、自己採点は
ツマンネ!

で、次には図書館を情報拠点として考える。つまり王道で考えてみました。
次に、利用者の欲するような情報を考える、と、たとえば
横浜市立中央図書館の各種コーナーに感心はしたもののの、本当に住民が必要とするってなんなのでしょうか?
例えば、医療問題。私たちにとっては大変切実な問題ではあります。が、高度先端医療、臓器移植、医療過誤、医療費増大など様々な問題よりも、住民にとり必要なのは
「今週の日曜当番医」
かもしれませんし、
環境問題についても、当面の、しかし差し迫った問題としては
「お盆期間中のゴミ収集日」
かもしれません。
残念ながら、地域のみみっちい、しかし、重要な情報はインターネットでもなかなか検索しにくいです。新幹線の時刻表を調べるのは簡単ですが、ど田舎のバス路線の時刻を調べるのは難渋な場合が多い、」ということ。

もう一つは、「先手必勝」です。市町村で公式Twitterで情報提供を行っている自治体は少数です。
ここは先駆けて対策を打つという余地がふんだんにあります。JR東日本つくばエクスプレス開業前に130キロ運転の特別快速を土浦まで運転したり、成田スカイアクセスに先駆けて成田エクスプレス全車両を新車に置き換える、といったあざとさ*2を見習って、行政に先駆けて、「生活情報+α(この“α”にこそ司書の力量が試される!)」発信を開始するというのも、いまなら有効です。

なんだか、本腰を入れて企画したくなってきましたが、残念ながら“ユーレイ司書は死なず、ただ消え去るのみ”ですからあとは若い人たちに夢を託したいと思います。

同時に、ぜひすべてのライブラリアンがこの課題に挑戦してみてほしい! これは本心からの私の願いでもあります。
私は改めて、この課題を考える中で、図書館が「情報の拠点」であるというベタな、だが重要な「原点」へと回帰することの意味を考えさせられました。
「娯楽施設」「無料貸本屋」などのカゲ口が出版界や行政内部から叩かれているいま、必要なのは「情報拠点」としての【聖地回復】でしょう。そのための、
図書館十字軍
の到来を望んでおります。

えっ、“十字軍なんてムリ”だって?!

だったら免罪符買えよ、免罪符!

・日本図書館【教】会が“免罪符”の販売を開始するのか!? <認定司書制度の開始にあたって>
 http://d.hatena.ne.jp/hatekupo/20100718/1279390071

*1:もちろん、ウォシュレットで尻も洗いましたけど

*2:その一方で、栃木・群馬の人間は185系という古くて鈍足な特急に乗らされています