役所の人間のいう“図書館員のつくる「壁」”とは何だろうか…

なぜか、突然「宿題」が…

我がブログもエントリあげたいのですが、なんだか出てくることは「愚痴」の類ばかりなのです。
ところで、前回のエントリには研修仲間の id:nemurigame 様よりコメントいただきました。

ウチの館長は、庁舎からきた名館長ですが、いつも「図書館員も行政の職員。それを自分達だけ、違うと存在と考えて壁を作っていると、それなら別だから切り離して委託しても問題ないと思われるのは当然」という趣旨のことを教えていただいて、気をつけるようにいわれます。どうぞ、壁を感じる点があったら、それを教えてください。委託反対を考えるなら、やっぱり、行政の方に壁を感じさせる図書館員の問題がないのか、考えなくてはいけない気がします。同じ、自治体の職員同士なのですから。

まぁ、あちら(id:nemurigame)様のほうが、はるかにキャリアも人生経験もおありなので、“教えてください”といわれる立場じゃありませんので、こちらが恐縮してしまいます。というより、尊敬する教師から宿題を出されたような気分でもあります。そこで「宿題」として考えてみることにします。

「都市伝説」ならぬ「役所伝説」としての「壁」

で、お題にある“名館長”という尊称が、まさしくその名に恥じないのか単なる“183*1”の類かは、ほっておくとして、実は、我が市でもこのような「壁」があるとの都市伝説ならぬ役所内伝説があるのです。ただし、図書館にこだわらず、特別な技能職集団〜たとえば、建築主事、保健師、社福主事など〜にもあるというようなわけです。ただし、あくまで私の見立てですが、司書と建築士は、そのトップに名乗りを上げてくることは多いようです。

私なら、言い返すけど

もちろん、現実問題として「壁」などあるはずはありません。まさに“色不異空、空不異色、色即是空、空即是色、受想行識、亦復如是”。「壁」こそ「名館長」の心象風景にすぎないのです。
ですから、
「そちら(名館長)こそ、勝手に「壁」をつくっているなどと、ワケのわからないイイグサで、委託問題をネタに圧力をかけるのはパワー・ハラスメントですよ!」
と、私なら言い返すことでしょう。が、それでは戦火を拡大するだけ、全く益なしに終わることは火を見る以上に明らかです。

役所の人から見ると

それにしても、人間関係の齟齬について、「ギャップ」「溝」「段差」など表現様々ですが、「壁」という表現の圧迫感はなんでしょうか。おまけに「壁」が心象風景としてあるということは彼岸の職員(司書)を可視化していないことですから、かなり高いレベルの「疎外感」といえるでしょう。
実は、役所の人間は、人事異動を繰り返します。私もこの春経験したのですが、赴任してしばらくは、「疎外」とまでいきませんが、かなりの違和感がつきまとうものです。慣れるまでは…
実は、この「疎外感・違和感」は庁舎を出て図書館に行くという、物理的移動も伴うとさらに高くなるのです。親しんだ勝手知ったる建物から外へ出ること自体、苦痛すら感じますし、気晴らしにも事欠くありさま(庁舎内でも異動であれば、職員食堂でランチしたり、なんだかの理由をつけて古巣の職場に行って談笑するようなことができますから)です。
次に、図書館ならではの事情として、「コミュニケーション」の圧倒的不足です。
世代の差、司書資格の有無、云々以前に、変則シフト、勤務表を見なければ誰がどこでどのように働いているか見当もつかない、これは各々デスクで仕事をする、という役所の人間にとっては奇妙な光景でしょう。

ボールを投げる、ということ

結局ベタな結論になってしまうのですが、やはりコミュニケーションの第一歩として、言葉のキャッチボールをボツボツやるのが常道かと思います。ボールが行き交われば、心象風景としての「壁」は消える。そうとしかいえないですね。
と、ここまでお話ししたところで、同じような条件(外部施設・専門職集団多数)でありながら「壁」が語られない施設があるのです。
それは「保育所」です。
保育所」の保育士さんがコミュニケーションに長けているのか、機能が“わかりやすい”からか、定かではありません。が、図書館が非正規化・委託化のターゲットにされやすい理由もこのあたり調べると面白いかもしれません。

*1:どなりこみがもし来たら“ああ、1000番代”までいれておくべきでしたね”と「鉄」をよそおい、ごまかす