図書館が地元の書店を粗末にする

注意 このエントリは激ヤバなので、一定期間経過したら削除します。

あのsaveMLAKの「本を送りません宣言」が話題のようです。
私自身、実にもっともな宣言であると思います。いや、むしろ矢祭もったいない図書館などの事例をみても、前もって想定されていたことでしたから、遅きに失した感もあります。ただし、どんなに正しいことであってもこの種「宣言」を出すことには、何よりも「勇気」が必要です。その意味でこの宣言には支持と賛意、そして敬意を表したい気持ちです。

さて、ここから本題なのですが…
上記「宣言」について、あれこれ感想を述べていられる方々をBlogとかtwitterなどで目にします。おおむね賛意を表します。その中に

・saveMLAKの本を送りません宣言をめぐって思ったことなど
 http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/20120123/1327295854

この中の一文。

図書館と書店は車の両輪として、地域の本という文化を支えています。今だからこそ、特に地域の書店を大切にしたい。

ごもっともです。
しかしながら、一部でしょうが、このような趣旨にそぐわないという事例も多いようです。

MARCの普及と地元調達

図書館のコンピュータ化により民間書誌作成機関が「機械可読目録=MARC」を頒布します。
このMARCを軸にして選書〜発注〜装備〜納品まで一連の作業として、民間書誌作成機関が請け負うケースが多いようです。
面倒でイライラしたり集中を欠くと失敗の可能性が高いブックコート処理もラベル貼りも所在情報もすべてお任せ。図書館司書にとっては実に便利・うれしいことです。
このように、選書さえすれば伝票さえ作成する必要もなく、データを送ってしまえばあとは宅配便で配送された図書をバーコードなぞるだけで済む。実に便利この上のないのは結構ですが、それは地域の書店からの調達が減ることと同じなのです。

サービスでなく「価格競争」

反面、大量の書籍を買い付けるからといって「競争入札」へと向かう図書館もあるようです。
これは図書館側が望んでいるワケではないですが、官公庁の物品調達等は「競争入札」が原則。それを当局が押し付けているわけですね。
規制緩和・競争促進的政策のもと、再販制度の維持は出版業界のこの数年来の最重要課題でありました。私も出版文化全体の振興や著作者の保護の観点から、再販制度は維持すべきものと考えます。ただし、健全な出版文化とともに歩むべき地方自治体>図書館が結果的になし崩しにしてしまう可能性があります。

以上のように、図書館が地元図書館を「粗末」にしてる現状。saveMLAKもおおいに結構ですが、図書館員たるもの、こうした現場をおさえておかなくてはいけないですね。もっとも、現状を認識したところで、何ができるか、と考えればハナシはそこで終わりますが。