【これは盲点】公立図書館の指定管理者制度は“ありえない”【ビックリしたなぁ】

高飛車から土下座へ

前回のエントリでは、

図書館員には「井の中の蛙」状態になっていて、法的リテラシーも基礎知識もない

と、かなりバカにしたことを書いてましたが、元司書職であるその私も例外ではなかったようです。
これからお話しする内容に、10年ちかく前から気がつかないこと。いやお粗末ですね、

とある通知

よせばいいのに、妙に#takeolibraryにこだわってしまい、その流れから総務省のとある通知(平成15年7月17日づけ総行行第87号総務省自治行政局長通知)をかいつまんで読んでいたところ、ある一文に目を止めました。

道路法、河川法、学校教育法等個別の法律において公の施設の管理主体が限定される場合には、指定管理者制度を採ることができないものであること。

まぁ、「公の施設」といえば、“住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設”と定義づけられ、その管理にあっては、
公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第二百四十四条の四において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
というのが地方自治法ですね。ただし「一般法」である「地方自治法」に対し、道路法、河川法、学校教育法等個別の法律で公の施設の管理主体が限定される場合は「特別法」として、道路法等これらの法律が優先されるわけです。

で、さて図書館は…

しからば、図書館法といえば…

(定義)
第二条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。
2 前項の図書館のうち、地方公共団体の設置する図書館を公立図書館といい、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人の設置する図書館を私立図書館という。

「設置」に対して述べているだけで、「管理」を地方公共団体で、という文言は見当たりませんでした。
管理主体は限定されていないということで、
「まぁ、そんなもんだなぁ…」
と、思ってはいたのですが…

上から社会教育法

ところが、実は思わぬ「伏兵」がありました。
社会教育法(昭和二十四年六月十日法律第二百七号)です。
この中で、第五条(市長村の教育委員会の事務)は次のとおり

(市町村の教育委員会の事務)
第五条 市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会は、社会教育に関し、当該地方の必要に応じ、予算の範囲内において、次の事務を行う。
一 社会教育に必要な援助を行うこと。
二 社会教育委員の委嘱に関すること。
三 公民館の設置及び管理に関すること。
四 所管に属する図書館、博物館、青年の家その他の社会教育施設の設置及び管理に関すること。

社会教育施設の設置及び管理」と、ありますから教育委員会の所掌する事務であることがわかります。まぁ、「所管に属する」という文言の解釈がビミョーですが…
それでも、

・公立図書館の指定管理者制度について〜日本図書館協会の見解・意見・要望〜
 http://www.jla.or.jp/demand/tabid/78/Default.aspx?itemid=531

“なじまない”論より“ありえない”で押したほうがよかったとおもいますがね…