官製ワーキングプアってなに?

“東京23区における図書館業務委託の進行は、「官製ワーキングプア」を生んだだけにすぎない”

そんな「総括」が流行している。
元ネタはどうやら

・「大阪国際児童文学館大阪府立図書館を考える集い」集会報告
 http://www.fusyokuro.gr.jp/tosyo_tudoi/tsudoi090215_report.html

図問研幹部が
図書館業務の委託等が進んでいる東京都の状況について、「官製ワーキングプア・職員の非正規雇用」が広がっている
と報告したことなどの一連の発言。

この幹部Nさん。JLAの研修でもお世話になり、また個人的にも大変素晴らしい方だと思っているので、あまり言いたくないが…
“委託等が官製ワーキングプアを生んだ”
この言い回しは、Nさんの発言そのものを聞いていないからわからないが、少し気になる。

そもそも“官製ワーキングプア”という言葉が生まれたのは、

官製ワーキングプア―自治体の非正規雇用と民間委託

官製ワーキングプア―自治体の非正規雇用と民間委託

↑この本あたりが嚆矢となる。

で、読んでみたがこの本の中心は、自治体をはじめとする公的機関における非正規雇用〜正規職員の賃金の半分以下で、賃上げもなく、休暇も少なく、退職金もボーナスもほとんどない〜実態を述べるとともに、その要因・背景について考察している。
無論、民間委託についても言及はしているが、それは、非正規雇用増大の目的である人減らし・人件費減らし策の一バージョンとして紹介されているに過ぎない。
そもそも直営だからこその「官製」であって、民間委託では「官製」とは呼べない。

言葉遊びは好きではないし、揚げ足取りも好きではないが、この言い違い、チト気にかかる。