電子書籍を“図書館でどう使うか”、というより“(利用者に)どう使われるか”を考えてみよう

10年以上も前から、黄色い看板の“新古書店”といわれる書店が我が街に続々登場いたしました。
かれこれ5〜6店舗が開店したのですが、今の御時世でもありますし、加盟店相互の競争も激しいらしく、閉店に追い込まれた店もあれば大改装・大拡張した店舗もあります。
この一方で、もともと静かな存在だった“本家古書店”がいつの間にか閉店が相次いでいるところが残念です。
さて、件の“新古書店”ですけど、やはり素人さんが値踏みするだけあって、ときおりトンデモナイ物件に出くわすことになります。
半年前でしたか、あの吉川弘文館国史大辞典(全十五巻・全十七冊)

国史大辞典(全十五巻・全十七冊)

国史大辞典(全十五巻・全十七冊)

のうち索引を除いた本篇全15巻がなんと12,000円!*1、クルマにも乗ってきたし、幸い財布にも福沢諭吉先生が2枚いらっしゃって“学問ノススメ”の雰囲気。
このような条件は整ったワケですが、結局購入は見送りました。なぜって、我が家の住宅事情がそれを許さなかったから。我が国最高峰の専門百科事典は、場所取りも横綱級なのです。

えぇ、で、今日は電子書籍のハナシでしたっけ。恥ずかしながら、私もまだkindlやらipodとやらも持っていないのですが、先ほどの国史大辞典あたりが電子化されたら買いにいきますね。むろんお値段次第ですが…あの国史大事典を仰向けに寝っ転がって読むこと自体、夢のようです。

考えようによっては、住宅事情が悪く、かつkindl、ipodはさておき、ケータイ、ニンテンドーDSなどの普及率が抜群の我国。ソフトの展開次第ですが、電子書籍が飛躍的に増大する予感があります。
私としても、電子書籍に「国史大辞典」、「図書館年鑑」などが入れば、WikやYahoo知恵袋などの既存Webとあわせれば図書館レファレンスコーナーには行かなくなるますね、よほどのことでもなければ…

電子書籍をどう図書館で活用するか、今の司書の方々お考えでしょうが、私のように“一市民の立場”で考えてみることも必要です。
たとえば、電子書籍を誰よりも喜ぶ利用者は誰か?、考えてみましょう。
私の場合、電子書籍が福音をもたらすのは、「大活字本」。そう、あのやたらがさばり、重たい、高価で、図書館以外で目に触れる機会のないあの大活字本を読まれる高齢者の方々にちがいありません。

*1:1巻あたりの金額ではない。全館でこの価格!) 前々から個人的に欲しかったし、索引巻がなくても「読み物」として読むにはOK((この本を「読み物」にしてしまおうという発想自体正気の沙汰じゃありませんね…