失われた検索困難データベース

先日の続きです。
前回では、利用者さんが出したリクエスト伝票の中から、検索困難・訂正・補足事例を集め、データベース(というにはショボイですが)を構築した話をいたしました。
内容としては、昨日書いたようにタイトルの書きまちがいが多かったのですが、中でも多かったのは「てにをは」や「接続詞」の誤りが多いことです。
例えば、「アルメニア人の宗教」がヒットしない場合は「アルメニア人と宗教」であるとかです。
このようなパターンが多いと気がつけば、「アルメニア」「宗教」でわかち検索をすればHITする確率が上がります。
このように、若輩者は自分の試行錯誤の例から学ぶことが多かったと思います。
で、その200件以上のデータはどうしたかといえば、ご臨終でした。合掌

かつていた職場は民営化にかかる準備のため、年が変わったあたりから、段階的にファイルの出力、メール添付などができなくなり、あげくの果てにはセキュリティ保持のために削除されてしまっております。
もっとも、司書でなくなる自分にとっては無用の長物でありましたし、支店長の酔狂な試みを残留組の本店営業部に見せれば、
「こんなイイカゲンなリクエスト受付をやっていたのか?」
「支店はおヒマでいいねェ…」
婉曲な嫌味と罵声の嵐に決まっています。

あとは、受け入れ先といえば…
この種話題を出せば、あの有名な福井県立図書館さんの「覚え違いタイトル集」を連想される方も多いでしょう。

・本家(福井県立図書館覚え違いタイトル集)
 http://www.library.pref.fukui.jp/reference/mosikasite.html
・カレントアウェアネス・ポータルの紹介
 E967 - 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」ができるまで
 http://current.ndl.go.jp/e967
・ご好評の声(id:bauchi13様)
 福井県立図書館の「覚え違いタイトル集」、恐るべし
 http://d.hatena.ne.jp/bauchi13/20100424/1272076480
・担当者(id:yoshim32様)の御尽力
 http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/20100427/1272345829

当然こちらへの、情報提供も考えないこともなかったのですが、こちらは「覚え違い」だけでなく「表記ちがい」の方が多くあり、少しスタンスは異なりました。
が、我が事例集にも当然「覚え違い」も少なくないので、活用してもらえるとよかったのにと後悔するところしきりです。
あの「覚え違いタイトル集」に匹敵するデータ群を集積した自分をほめたいという気分にはなりますが、結果として消え去ってしまったことは自分を責めたくなります。
ぜひ、みなさまも気がついたことがありましたら、メモ程度でもいいですから記録してください。そして、それをただ集めるのではなく、原因について分析を加え、分類して整理すると、力量は格段にアップしますよ! って最後に言いたいと思ってましたが、今となってはそんな経験談も無意味になってしまいました。そう、検索困難な事例が出たらamazonで調べれば全然OKなのですから…