ニッポン無分別時代!

我ながら遺憾のエントリ

今まできわめて“当たり障りのあるエントリ”ばかり書いてまいりましたが、それにしても、前回のエントリは、ここまで叩かれたのはこのブログ空前絶後のことです。風評被害抑止をねらっての政府のプロパガンダかと思ったくらいです。
自分のおうちが放射能汚染だったからといって、手放しで喜ぶほど私はバカ、じゃない、“楽天家”ではございませんですよ。面白おかしくしてしまったのは、一言でいえば“やりきれないから”。
前回エントリにバッシングいただいたみなさまに、

  • だったら読まなきゃいいのに…
  • 自分だけを「被害者」に限定したがるエゴイズム
  • 現実から逃避しようとする腑抜けども

等々、しっぺ返ししたい気持ちは山々ではあるのですが、やはり読者の方を不愉快にさせてしまったことは、厳然たる事実。遺憾の意を表します。同時に、
“やり場のない、怒り・哀しみ・無力感”
に打ちのめされた方が多いことに思い当たりますので、
「今日も、ひとつ毒づいてくださいヨ」
とお願いしたいと思います。それで“精神の安定”が図られ、トランキライザーの服用量が少しでも減少することを願ってやみません。
平素より、このブログはバカげた内容の割に
“博識で品格ある分別のある方々”
にご覧いただいていることに感謝に堪えません。マジで…

無分別なこの国で…

さて、震災と言えば「復興財源」を巡る議論が続いております。いうまでもなく“復興”必要なことです。なんとしてもやり遂げなくてはなりません。
しかし、ある意味妙な議論です。

  1. 復興するためには「被災」の実情を知り
  2. そのための「費用」を見積もり
  3. その費用拠出のための「財源」を考える

というのが、順序。それを二段階すっとばして、いきなり財源の手当てとは、まるで見積もりをとらないで悪質リフォーム業者に注文するがごとき違和感を感じます。
それというのも、地震から原発事故までの「損害」のうち、
「どこまでが「天災」で、どこからが「人災」なのか」
が分別されていないからでしょう。
原発推進論者・原発擁護者からいわせれば、
「あの地震さえなければ、このような事故はなかった」
「想定外の規模の地震だった」
と弁解するでしょうが、
貞観地震のときには原発事故などなかったぜ!」
と言われてしまえば終わりです。
さきほど“分別ある方々”と申しましたが、この国は
“分別のある国”
なのでしょうか?
件の事故が「人災」であるとなれば、当然損害(賠償)責任問題が浮上します。
矛先は当然、東京電力に向かうでしょうが、その東電はと言えば、
監督官庁原子力保安院)の指導にもとづき運営した」
と責任転嫁するでしょうし、結局のところうやむやになってしまうことでしょう。
不思議なことにポピュラリズムの権化たる政権は、妙なところで主婦感覚的にゴミの分別をするかのように、「事業仕分け」に夢中になり、これに右へならえ式の地方自治体が同様なことをやっていて、重箱のスミを突っつきまわし、「構造的な問題」にメスを入れない、これも“無分別”のひとつです。

円高と石油のビミョーな関係

ところで、
“超円高
が、話題になっていますが、過日ガソリンスタンドで仰天してしまいました。ハイオクガソリンが
155円/リットル
もします。
円高であれば、輸入品の筆頭たる「石油」価格はもっと下がっていいハズなのです。にもかかわらず石油が安くならないのは、基軸通貨としてもっともポピュラーなUSドルとユーロがコケてしまい、投機的資金が貴金属やレアメタル、小麦、原油などに流れ込んでいるからです。
円高で輸出産業が伸び悩んでいることは、確かに頭の痛いことですが、石油問題に関する限り、わが国は“円高”で助けられている面もあることはたしかなようです。

円暴落後のオイルショックに立ち向かう準備はあるか?

注意!ここから先、気の弱い方、短気な方は読まないこと!!
円高でなんとか「オイルショック」から切り抜けているかのような日本ですが…
為替レートは周知のとおり相対的なものです。円高原油高も原因は同じですが、この二つはセットではありません。
円が暴落=円安
が急激に進み(今のわが国の信用度からすれば、大いにありうる)、原油が高止まりになったとなれば、まさに“油断”そのもの、大変なことになるでしょう。大変なオイルショックです。
ここで、思い起こしていただきたいのが、1970年代の第一次オイルショックです。
田中角栄首相は、原発をガンガンつくった張本人とされていますが、まぁ、角さんは「よっしゃ、よっしゃ」と、新幹線・高速道路・工業団地造成、なんでもやりましたから、原発などはそのワンオブゼムにすぎないでしょう。
原発推進の引き金となった「電源三法」ですが、制定は1974年です。オイルショックを機会に化石燃料を用いた火力発電以外の電源を開発することによって、火力発電=石油への過度の依存から脱却することがその目的でありました。皮肉なことですが、「原発」推進はリスク分散という目的もあったわけです。
みなさんに、質問します。円安になり原油価格が高止まりになったとき

  1. 現在の2倍電気料金を払ってもよいですか?
  2. 前の質問で「No!」と答えた方、原発を容認しますか?
  3. 前の質問で「Yes!」と答えた方、あなたのウチのお隣に原発が出てもかまいませんか?

おそらく、大多数の方が不愉快に思ったと思います。非難は甘んじて受けますが、ただし、愛煙家(自分で発がんリスクをコントロールできないひとたち)に非難されれば、私は激怒します!

あ〜あ、あまりにも暗い話ばかりですので、

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でも見て笑いたくなりました。
この映画制作もオイルショック前。高度経済成長が「喜劇」を支えてきたのでしょう。もう、笑えない
「ニッポン無分別時代」