図書館に“21世紀の古典”を遺す気概はあるか?

すっかり寒くなりました。
内陸の我が県は、本日最低気温3度まで下がりました。長い冬のはじまりです。
しかしながら、冬には冬の楽しみがあります。音楽鑑賞でいえば、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーの作品。
私は彼の大ファンですが、摂氏35度を越える夏の暑さではあまり聴く気になれません。
特にお気に入りは、3大バレエ(白鳥の湖・眠れる森の美女・くるみわり人形)のほか、

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番

と、
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(初回生産限定盤)(DVD付)

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あたりでしょうか。
3大バレエについて、聴き惚れたあまり、私もかつてクラシックバレエを齧ったことがありました。
しかしながら、今一つピンとこない。足も1番から5番まできちんと決まるのですが、あまり面白くなかったことで、ようやく
「私はバレエが好きなのではない、チャイコフスキーバレエ音楽が好きなのだ」
という帰結になりました。
さて、チャイコフスキーの面白いところは、発表時は不評をこうむり、後々に評判をあげています。
白鳥の湖」は1877年の初演、ライジンガーの振り付けで不評のためお蔵入りして、1895年に蘇演。
ヴァイオリン協奏曲の場合も、当時の名ヴァイオリニストにたのんでも、「演奏不可能」とダメ出しをされてしまいました。その後も評価も著しくなく、「悪臭を放つ音楽」とまで云われたそうです。
ピアノ協奏曲も、当初の評判は悪かったそうです。
とはいえ、今となっては「白鳥の湖」も「ヴァイオリン協奏曲」も「ピアノ協奏曲」も、殿堂入り。クラシック音楽でももっともポピュラーになっています。
白鳥の湖」は、陽の目をみるまでに20年近い時間がかかりました。
評価は時間をかけなければわからない、という好例です。
近年「保管場所不足」を理由に、どんどん本を廃棄している図書館も多いようです。
中には、
「受け入れから●年以上経過したら廃棄」
を実質上ルール化している図書館もあるとか*1
白鳥の湖」が“お蔵入り”になっていた期間は18年間。これだけの期間を吟味して保管する図書館はどれだけありますことやら

*1:そういう、BOOK OFFまがいなコトやっているから非正規化・民間委託が進むわけですよねぇ