移動図書館がらみで、中途半端な募金、再び…

みちのくでがんばる移動図書館に思いを重ね

東北の地で移動図書館が活躍中です。

・いわてを走る移動図書館プロジェクト
 http://sva.or.jp/iwate/

12月に入り、かの地に在っては寒さも日々厳しくなっていることでしょうが、「雨ニモマケズ/風ニモマケズ」頑張ってほしいと思います。
Twitterでもその活躍ぶりがわかります。

 http://twitter.com/#!/mobile_library

移動図書館」…懐かしい響きです。
私は、図書館司書の第一歩を「移動図書館」で踏み出しました。

四輪車なのに「自転車操業

私が目指し、またあこがれた「司書」は、多彩なツールを手足のごとく用い、テキパキとレファレンス・クエスチョンをさばきまくる「司書」でありましたから、「移動図書館」勤務を命じられたときは、まったくもって面白くない。分類もまったくせずに、ただクルマに本を載せて貸出に動きまわるだけの「移動図書館」なんて、
“図書館じゃない”
と、本気で思いこんでましたからね。
ところが、以前のエントリ

・なにも残してはならぬ 〜3月で図書館を去る方々へ(2010-12-31)
 http://d.hatena.ne.jp/hatekupo/20101231/1293751467

にも書きましたが、当時2台の移動図書館。そのうち1台がリストラされることになり、残り1台も“余命数年”の状態に。この切羽つまった状況で発奮したのと、移動図書館もろとも自分が“日陰者扱い”“リストラ対象*1”という恐怖で“背水の陣”というより、毎日が綱渡りの“自転車操業(クルマは四つあるのになぁ)”に突入!

アウトリーチならではのアウトロー

ところが、実際移動図書館はやってみると、なかなか面白い。もともと
「型にはまったことがきらいな性分(自己申告)」
ですから、正直ハマりました。
加えて、館内では二等兵でも、館外にでてしまえば、たとえ駆逐艦フリゲート艦ではあっても“艦長気分”。
「Book Mobile」を心中で「機動図書館」と訳してしまえば、ますます楽しい。
気にいらなかった“イイカゲンな排架”も、ますます拍車がかかり、914.6と913.6を著者別に混在させたり(だって、とある作家のファンならば、小説と随筆、両方読みたいでしょ?)、913.6と933を混ぜたり(ミステリー・ハードボイルドに国境はないゼ)、やりたい放題。アウトロー司書、ここに極まれり。
もっとも破天荒なのは、巡回時に利用者さんに告げたセリフは、
「あんなの(積載図書)全部売れ残りです!」
という救いようもないダメ出し。だってそうでしょうよ。みんなが読みたい本はたいてい借りられてますから。
そこで目を丸くしている利用者各位に、
「先に、読みたい!と意思表示(リクエスト)した者から先に読もう!」
と、アピールしたこともありました。
もちろん、苦情めいた声も
「いつも、同じ本ばかり積んできやがって。たまには、本を積み替えてこい!」
という「ご意見」も。
マトモな司書の皆様であれば
“予算に限りがあります”
“少しずつかもしれませんが、順次入れ替えてます”
というような、弁解とか言い訳しますが、私の場合は
“仰せのとおり”
というワケで、左側の本を右側に、外側の本と車内の本と、“積み替えて”何食わぬ顔で次の巡回へ…。
結果的に当該利用者さんからは
「よくやった」
と感謝されましたが、ここまでくると「香具師」の領域でしょう…

移動図書館の副次効果

いま、思えば「移動図書館」は、単なるアウトリーチ、児童サービスの場ではなかったと思います。
司書にとっては「勉強の場」でした。なんせ毎日がどの本を積んでいくのかの「選定会議」です。
利用者さんにとっても、普通の図書館利用者さんとは一味違っていました。
巡回の場所では井戸端会議と化し、おしゃべりが絶えませんでした。
なんといっても、全域サービスに励む、という姿勢を市民に有言実行し、そして一定の評価をえることのできる存在であったといえます。

【ようやく本題?】「寄付」について【いや蛇足か?】

そのような、「移動図書館」を日陰者扱いした連中の悪口はあとで書くこととして、岩手の移動図書館に思いを寄せると、自分も移動図書館に「従事」してみたくなりました。
とあるMLで知った

名取市(図書館・自動車図書館「なかよし号」のお知らせ)
 http://www.city.natori.miyagi.jp/soshiki/kyouiku/shougai/tosyokan/node_4352

「どんぐり子ども図書室」開館準備のため年明け早々にボランティアを募っていることを知りました。
さっそく、応募してみましたが、出遅れたせいで、もう現地の方々で間にあったとの由。
個人的にはガッカリしましたが、同時に「現地の方々」で間に合うというコトバに喜びかつ安堵しました。
震災直後では「現地の方々」も図書館どころではなかったと思います。しかしながら、「子ども図書館」という不要不急とみなされがちな(しかし大切な)施設に尽力いただけるということに、復興の手ごたえを感じました。
その中で

・被災地の子ども図書室に「本棚」を-東海大学とsaveMLAKが寄付を呼びかけ(ヨコハマ経済新聞
 http://www.hamakei.com/headline.php/6608/?id=6608

このプロジェクトに送金しました*2
6,600円
この金額、晴れてボランティアに出陣の折りには拙者の本陣と予定していた某ルートインの宿泊料です。
どうせなら、新幹線のチケット代も募金すればいいのに…
そう、自分でも思いましたが

【特典生写真付き】チャンスの順番(A)(DVD付)

【特典生写真付き】チャンスの順番(A)(DVD付)

チャンスの順番、いつかきっと…
そのために交通費は
「いざ、東北」
のためにしまっておきます。

*1:当時は、冗談半分だったけど、実際にそうなってしまったなぁ、ワッハッハッ!

*2:上の記事を印刷してATMに行ったら、口座が“普通”か“当座”か記載していないので一瞬戸惑った。少し詰めが甘いぞ>ハマ経