貸出履歴

昨日、勤務先のカウンターで、利用者さんに話しかけられたことです。

ご年配の男性が、ご自分が前に借りた本が何だったか教えてほしいということでしたが、この図書館界はそういうこと(貸出履歴)が残すことはしていないのが一般です。
そのような説明をしても、納得いただけないご様子。

「銀行でもなんでも、貸し借りの関係は清算できたとしても大切に記録しておくものだ。みなさんはきちんとやっているのか?!」

個人より公の利益を尊重する戦前戦中派ならではの考えですが、でもほかの市民の方々はどうお考えなのでしょうか?
「あのとき読んだ本をもう一度読みたい」
という要望を寄せる人は多いかもしれません。

実はこの数年、練馬図書館貸出履歴問題が話題であるし、学校図書館問題研究会貸出原則での議論が印象的でしたが、どちらの議論でも、利用者本人はいったいどう思っているのかという視点がすっぽり抜けた印象があります。

私もインターネット書店を利用することがありますが、個人のページにログインすれば、購買履歴が調べられます。その経験からすると、貸出履歴を「図書館にとって不要なもの」であるからといってバッサリ切り捨てるのも、案外図書館人の唯我独尊にも感じられるのですが…