とりあえず決着できるか? このグダグダ

先週、インフルエンザ予防接種(通常型)を受けたところ、身体はだるいし、身体の節々が痛くなるし、擬似インフルエンザともいうべき状態になっています。今日は文化行事で働いてようやく帰宅。
で、いよいよ図書館総合展が開幕しましたねぇ。Twitter見ているとスゴすぎてワケわかんないです、正直いって。
自分も明日は早朝から出張って満喫しようと思っておりましたが、とにかく体調がイマイチであり、朝一番のトサケンは一昨日のうちにキャンセルしました。(トサケンのみなさん、すみません。盛会を祈っております)
おかげで明日はゆっくり湘南新宿ライングリーン車で居眠りでもしながら楽に横浜直行です。

そこで、今夜は多少夜更かししても、例の問題にケリをつける所存。

今回の分科会、よくもわるくも“労働組合”がキーワードでした。
労働組合について、よい印象をおもちでない方もいらっしゃるでしょうが、昔組合の役員をつとめたこともある小生にとっては、組合はきらいではない。むしろ重要なものだと思っている。勤労者の労働条件や福利厚生などの向上を図ることは、現在日本のように(賃金の低下⇒個人消費の減少⇒企業収益の低下⇒)デフレスパイラル(と、現時点で指摘する識者は少ないが…)に対して良好なるビルト・イン・スタビライザーとなりえるからである。

今回の最大のスター(発表者)は、まちがいなく荒川区立日暮里図書館の岩渕さん。彼の話は図書館員としては珍しく話が巧みで、“発表”というより“演説”に近い印象。彼の話に引き込まれながらも、自分が今組合の決起集会に動員されている錯覚を受けた。
だが、有能な活動家ぶりとうらはらに、図書館司書としてのセンスには(その場の話を聞くかぎり)疑問符をつける。件の「IT否定」について、彼が明快にダメ出しをしたこと自体ではない。彼は直接人と会う苦労、資料を集める苦労の功徳を説き、“運動するなら苦労をして当たり前”“活動せざる者働いて食うべからず”といわんばかりには、元活動家として、また図書館員として、反発めいたものを感じずにはおれなかった。
やはり一流の図書館員であれば、自分の苦労した足跡をたどり、誇りと自信をもちつつも、
“なぜこんなに苦労しなければ情報が集めにくいんだろう”
という疑問や
“どのようにしたら、より多くの人たちと情報を共有していけるのだろう”
という問題意識がでなければ、(老害はともかく)これからの図書館員としては、少々物足りない。
「情報の共有」について、彼は当然
“いろいろ集会で話していますよ”
というかもしれないが…
そういえば、組合は昔から珍奇に思っていたことがある。集会などではやたら「大会宣言」「スローガン」「声明」「アッピール」といったものをドンドン出してくる。が、本来「敵」となるべき国家権力や資本家(うぉぉ、20年ぶりにこのコトバ使ったーーーー)、あるいは広く社会全体・国民すべてに打ち出すようなものを自分たちだけで読み上げ拍手して褒めあい、(団結してなにをやるのかぼかしたままでも)団結がんばろう! でシメるということ。
(そういえば、図書館関係にも「大会宣言」「スローガン」「声明」「アッピール」が大好きな団体があったような気もしますが…)
どこかのブクマコメントに、

労働組合と日図協、非常に似たところがある。構成員の熱意の差とか年配が幅利かせているとか…。ITを交流に活かせないことも実によく似ている

こう書かせていただきました。
が、こうしていろいろ考えてみると、双方とも「IT以前」の問題であって、それ以前に考え方の「持ち合い」「話し合い」に何ら価値をもっていないのではないか、とも思えてくるんです。
労組にはそれはある程度許されると思います。あくまで、職業別・産業別での各組合相互、構成員相互の意思の疎通がとれればよいわけだし、またとりやすい条件の中にいるわけですから…
だが、日図協、特にその中の中心を占める公共図書館部会はちがいます。図書館職員の総意を組み上げるとともに、最大のスポンサーである納税者に対し、常に語っていかなくてはならない。その一つの方法としてWebは一つの良い選択肢になりえる。それを否定したことで、今回の分科会は極めて後退したものになってしまいました。

労働組合自治労)と日図協、今のままではこれからたどる運命も似ています。直営・正規の割合が減少していけばいくほど、組織の力も衰えていくことが必然ですから。もちろん幹部はそのことに気がついていないはずはない。だが、手をこまねいているだけの状況は、知恵を出し合うための議論活発な雰囲気づくりを重視してはいないことです。幹部にとっては、「過去の批判」とは向き合いたくないし、その必要もない。なぜなら、あとせいぜい10年で今の幹部はリタイヤする、それまで波風立てずに組織を“生かさず殺さず”。それが仕事ですから。

あ、すいません。この話題、あともう一回やらせて!