らいぶら発句を図書館の柱に…

偏見ですが…

大方の図書館には「電算担当者」的な人が多いです。
一世代前の方々には
「機械は壊れないものだ」
という方が多かったようで、プライドも高く、
「すいませーん、機械変になっちゃったんですけど〜」
という声に
「“変になっちゃた”んじゃあねぁだろう。オマエが“変にしちゃった”んだろーが!!」
行政の間では、“司書はプライドが高い*1”のが、とおり相場ですが、「電算担当者(SEなどの資格をお持ちの方々)」もまたしかり。
お互いプライドの高い者同士が一つ屋根(館)に顔を合わせれば、“馴れ合い・意気投合”になるか、険悪な関係になるか、いずれかになります(参考までに、“長にあたる人”の性格または判断力が不適切な場合は、前者に落ち着く場合が多いようです)し、フツーの公務員に比べて法律・条例に疎いということ、攻めることは好きでも守勢に回ると腰砕けになったりします。
以上、私の偏見でした。

冷静になるにも、一定の知見が必要(id:katz3氏の意見に対して)

ところで、前回のエントリでは、librahack事件のような事件に際しては、「分別」することが必要であるとし、そのためには“実践的な学習”をとおして、知見を高めることが重要だと指摘いたし、そのための手段として、これまた他力本願的に「Code4Lib JAPAN」への期待と必要性を述べたつもりです。
奇しくも、同日、有名ブロガーであるid:katz3氏がエントリをあげておられます。

・りぶらはっくlibrahackらいぶらはっく(図書館断想、2010-11-1) 
 http://d.hatena.ne.jp/katz3/20101101/p2

氏は、

知識だの何だのが必要なのは2番目に重要なことで、1番目は、得意分野だろうと苦手分野だろうと、その場に直面しても冷静に現状を見渡せること

を指摘しました。
なるほど、ご意見ごもっともであるし、個人的には賛成です。
が、公共図書館とその中の人を知るものとしては、疑問符がつきます。
“冷静に現状を見渡せる”ためには該博な知識が必要です。そうでなければ、パニックになって手も足も出なくなるのが成り行きですから…
もちろん、その人にとり得意分野か苦手分野かは問いませんが、図書館に電子計算機が導入されているからには、いかに「苦手」であっても、それなりの知識をとするのは当然なのです。
自動車を運転するためにはトーゼン実技・学科講習等を通じて、知識と技能を取得し、免許をとります。それが「クルマ」という機械の安全・便利で有効な活用のために必要だからです。別にF−1マシンに乗れともドリフト走行*2しろとは言わないけど、「エンジンブレーキどこ?」っていわれたんじゃ困る。
おそらく、id:katz3氏はいうまでもなく、この方面において十分すぎるくらいの知識と経験をおもちなのでしょう。が、それを公共図書館とその中の人に求めるのは少し無理があるような気もします。

「問題解決は図書館で!」という図書館員が問題解決できないのではハナシにならない

id:katz3氏は、“冷静に現状を見渡せること”が第一だとおっしゃいますが、私は
“怒り心頭、カッカしていて頭が沸騰していても、正しい問題解決ができればOK!”
だと思います。
なぜなら、それが「仕事」なのですから。
岡崎の場合でも「地方自治情報センター自治体セキュリティ支援室」などような機関に相談・報告し助言を求めるぐらいの手立てを、まったく思いつかなかった、「無知」のなせるワザです。
少し、情けないですね。
やはり「知識」は必要なのですよ!

電算担当者の“暴走に等しい独走”と“業者とのなれあい”

通常、電算担当者というのは図書館では少数派です。「担当1名」ということも多いです。このような場合で、周囲の職員が「無知」であれば、電算担当者はたいていの仕事を“丸投げ”されます。
バージョンアップ・機械の全部取り換え(パチンコ屋みたいだな)などで多忙をきわめると、委託業者のSEさんと電算担当者のあいだには、ストックホルム・シンドロームのような、妙な連帯関係が発生します。
委託業者SEと電算担当者が仲良しなのは、個人としてはおおいに結構ですが、それぞれの組織の利害がからむので、必ずしも歓迎すべきことではありません。往々にして図書館(当該自治体の、そして市民(利用者))の側に立って、発言・行動し、不利益の防止やシステムの改善にかかる諸策を代弁すべき、電算担当者が、いつの間にか、委託業者の側に立ってしまうことです。
もう10年以上も前、当時の電算担当も館長も退職してしまったので話しますが、このような事件がありました。

機械の全更新にかかる作業が進み、テストまでということまでこぎつけたのですが、その時、画面展開や構成にかかる不条理な動き(=バグ)が、少なくなくありました。電算担当者は
「テスト済みだから問題はない。が、どうしてもというなら、書面に書いてもってこい」
とのこと。そこで、私はレポート用紙3枚に洗いざらし書きましたよ。克明に。
そして、2日後、私は館長室に呼ばれました。机上には件のレポートが…
館長いわく
「キミはこのような事実無根な指摘を行い、業務を妨害していると、N社(委託先)から苦情があった。この件については、O君(電算担当職員)からも、テスト済みの報告を受けている。この仕事はキミの仕事ではないのだから、余計な口出しはやめたまえ!」
てっきり、“おほめの言葉”かと思っていたら、逆でした。
この件、担当は「OK」出したあとでのことでした。おそらく、担当と委託先で「修正」し、最初からバグなどなかったようにして、私の意見は「事実無根」としてしまったのです。
そのひと月後です、私が、希望してもいない「学校図書館」への異動を命じられたのは…
私の経験は乏しいですが、雑草には雑草ゆえの誇りと、あのときの悔しい体験を持っているんです。だからこそ、お話しいたしました。

*1:決して、褒め言葉として使われていない

*2:ウチのソバの峠道で、それを楽しんでいる人が多いが、筆者はあくまでグリップ走行こそが本道であると思っているので、苦々しく思っている