タナボタ司書、いわき・郡山などの学校図書館のために働かせてもらいました
被災地の学校に本を贈る活動
承前。
7月9日以前にも書いたように、
・塙保己一翁・夢プロジェクト−被災地の学校図書館に本を寄贈します(全国学校図書館協議会)
http://www.j-sla.or.jp/news/sn/yume-project110709.html
参加してきました。
このプロジェクト、日本青年会議所関東地区協議会主催の「第59回関東地区大会こだま大会」の一環として行なわれました。これに賛同し共催者となった全国学校図書館協議会(=SLA)のよびかけで、日本書籍出版協会・日本雑誌協会・日本出版クラブ各位による「大震災出版対策本部」から新本約4万冊の寄贈をいただくとともに、寄贈本を配分・区分け・梱包するボランティアの募集をおこなったものです。
指揮官先頭主義
まずは現地入り。
写真の後方が「会場」なのですが、かなり歩きがいがありそうです。それにしても、一般参加者(「こだま大会」には数多くの市民向けプログラムが多々ありました)がいない朝の段階で、駐車された車の量に圧倒されます。
かなり歩いてようやくSLAのブース(テント)にたどり着きました。
SLAの森田理事長(左3人目)みずから受付しており、こちらとしてはただ恐縮です。
なお、こちらに背を向けているショルダーバックをかけた男性は、
の会長さん。のち、休憩のとき、お話しを伺ったのですが、定年間近の校長先生。
本日、スーツを着てふんぞり返ってもおかしくない人たちが、最前線で一兵卒として汗を流す、なかなかありそうでありえないような話です。今年3月末で退会した某職能団体のS理事長とはちがいます。
4万冊を分類する
会場に入ると、一部の本を除いて、段ボールの山が築かれていました。
この時点では、非常に整然とした印象ですが、のちにこれが修羅場(?)に変わります。
まずは、中央にある日本書籍出版協会・日本雑誌協会・日本出版クラブ各位による「大震災出版対策本部」の箱をバラし、小・中・高・その他*1へと分類していきます。
当日参加者(のべ50人)で、「高校」に属性する方は僅かのようでしたし、反面「小中学校図書館」について現場を知ることから、自ずと「高校」を専門にやらせていただきました。
前回エントリでは、
「昔のカン、というか技術や経験は急速に忘れつつあり…」
と弱音を吐きましたが、実際に「現場」に出てみると「昔とった杵柄」。
アタマは動かさなくても、オートマチック(自然)にカラダが動きます。
B級グルメを味わう
分類が終わったのが11時10分。ここで「1時間40分」もの「大休止」があります。
「大休止」の目的は明らか、この時間内で事務局が次の段取り・作戦会議を開くからです。「官製」のオシゴトでは、「12:00〜13:00」にこだわり、作業開始の時間になってから、段取りが「未官製」の状態で混乱することが多いのですが、よく考えています。
私は基本、「B級グルメ」には油分やカロリーで敬遠しがちなのですが、ここでは「川越やきそば」をいただきました。
かつての「拡散ツイート」をした者の感慨
「大休止」に時間中、改めて会場を見まわします。
「大震災出版対策本部」からの寄贈された本の山
そして箱
感慨無料です。
私はかつて、震災直後に次のようなツイートをしたことがあります。
【拡散希望】出版業界各位。被災地の図書館復興に向けて、返品本の裁断・破本処理を一時見合わせし、提供いただけるよう、お願いいたします! #jishinlib
ここで、改めて私はTwitterの「威力」を実感いたしました。そして“空恐ろしさ”をおぼえました。
私のような“無名の者”のツイート、拡散は広がり、最終的には出版社・著作家の方も応じていただいて、最終的には300以上のRTをいただきました。
このため、Twitter上での議論の妨げになったとほのめかす人もいたし、「口に出すことならば誰だってできる」といった意見もあったようです。
最終的にRT300以上は、当日まで重く私にのしかかってきておりました。
が、関連性はともかく、「夢」がついに「現実」へと変わっていったことに、肩の荷が下りたような感じです。
区分け・そして「集合力」
午後の作業が再開されました。いよいよ各学校別に本を選び、梱包する作業です。
肩の荷が下りた以上、人一倍働かなくてはなりません。そのあとは「記録」の写真にとどめる手間すら惜しみ、この日このときこの時間この一冊を絶対にムダにはしたくなかったからです。
いわきの中学校、郡山の小学校、白石の高校…
汗をかきかき、梱包して積み上げていきます。
(↓一枚だけ写真に撮りました)
それでも、時間につれ50間近の「老い」は隠せません。
平家物語の「木曾の最後」のセリフではありませんが、
「日ごろは何ともおぼえぬ段ボール箱(鎧)が、今日は重うなつたるぞや。」
弱音が出てしまいますが、私のようなへたれ者が最後まで全うできたのは、そばに志を同じくする名も知らぬ人*2の奮闘ぶりでした。
「カーリル」「レポジトリ」に代表されるように図書館界では「集合知」が話題の中心ですが、このような「集合力」なくして、「図書館の復興」は語れないと思います。