「市民の図書館」大躍進とモータリーゼーション。

貸出冊数の伸びはモータリーゼーション?

先日、左足を骨折・捻挫してしまいまして、禁足・悶々とした日々が続いています。
ふだんなら(健康を兼ねて)歩いていく本屋さんとかにも自動車利用です(ケガしたのが左足で、かつ愛車がオートマチックでよかった)。
日ごろ、
“タバコを買うのにも自動車を使う!”
のが我が県民ですが、片足ひきずって書店なり図書館なりに出向き、本を持って帰るのも重たくて苦渋します。これを機会にi-padをいまさら購入するとしても、そもそも電子図書は苦手なワケで…
まぁ、悶々としているうちに考えたことですが、
「モータリーゼーションが“市民の図書館”発展に寄与した」
ともいえそうです。
正確に調べたワケではありませんが(目下「図書館利用困難者」のため)、東名高速の開通が1969年で1970年代は「高度経済成長」と同時に「モータリーゼーション」が急速に進んだ時期でもありました。
この時期、公共図書館の爆発的な進展は図書館界の「快挙」であったとは思います。
ただし、
「マイカーで図書館に向むかい、家族でたくさん本を借りてくる」
という今日び当たり前の光景はモータリーゼーションなしでは語れなかったわけです。

失った、“もうひとつの顔”

さて、「市民の図書館」には、

  • 貸出

のほかに

  • 全域サービス

という、もうひとつの顔がありました。
“すべての市民に図書館サービスを”
というキャッチフレーズはいまだに重要です。
ただし、遠方からも「自家用車」で来館する方が増えてくると、図書館員のほうは
「あはは、圧倒的じゃないか、我が館は…」
という認識をもってしまい、“すべての市民”が図書館サービスを受けていると決め込み、「交通弱者」と呼ばれるマイノリティはガン無視されるようになってしまいました。
私は「移動図書館」の仕事をしておりましたが、

  • あんなモノは時代遅れ
  • 移動図書館に「資料費」を与えるのはもったいない

という意見が身内の先輩職員(しかも司書資格を有する)から浴びせられる毎日でした。