【一足早い】雲(クラウド)をつかむようなハナシ〜TRC全面委託を前提に、クラウド活用を考える【初夢】1

注)12/29.30追記しました

前回では、ひょんなことから、クラウドコンピューティングに目が向いてしまったので、あのあとも考えてみた。

そもそも、私のような人間が、クラウドについて考えるきっかけは、やはりヘタレというか、ぐうたらな発想であった。
今から10年以上も前である(もちろん、その頃にはクラウド・コンピューティングなる言葉はなかった)。図書館情報大学(あぁ、これまた懐かしい名前だ…)で学術情報システムについて画面を見て、解説いただいたとき、その機能に感心しつつも、館の内側(自前)と外側(学情)それぞれに目録を作成することは二度手間であり屋上屋のような印象を受けたからである。
同時に
“この中(学情)から資料の取り扱いをしちゃえば楽じゃん”
という安易な発想をしてしまったのである。


まぁ、バカ話はともかく、「クラウドOPAC」実現すればなかなか便利ではなかろうか?

まず、データの遡及修正が可能であること。現行システムでは購入したMARCを買い取りのかたちでダウンロードしてしまえば、通常はそのまま使い続けることになる。
私は現在の図書館OPACの最大の欠点は“件名”にあると思う。
ある新しい知見を著した書ができたとする。その時点ではとりあえず既存の件名をつけて分類してMARCをつくるが、その後類書が頻発されたりあるいは主題に社会的な価値が出るとなれば、当然新しい件名標目がつくられ追加されるようになる。が、新たな件名標目がつくられたとしてもたいていの図書館は既存のMARCを手直しすることなく放置するから、結果として同じ主題を扱った書でも件名標目が異なる場合が出てくる。当然検索にも影響を及ぼすであろう。
今のところ、放置状態のBSHはともかく、NDLBSHは頻繁に新設されているし、TRCもまた独自に作成し、シャバのモロモロを反映させる努力をしているものの、現場では既存データをそのまま提供しているのは少々情けない。
件名標目のほかにも、文学賞等受賞情報・新聞雑誌書評欄掲載情報・メディア化情報などが随時付加されていけば、利用者にとっても職員にとっても大いに歓迎されるにちがいない。
“そんなこと、もうやってますヨ”と胸をはる図書館はどれくらいあるだろうか?
たいていの図書館は自分のデータベースを“市民の共有財産です”と云いつつも、案外手を入れることなく放置している。そのことに疑問を感じない職員が多すぎる。それだけでも“クラウドOPAC”の実現を望みたい。