“オープンキッチン型の図書館”という発想

先日は「新刊急行ベル」の話をしましたが、小生の館は、契約を止めてしまいました。
ベル契約はたしかにラクなんですが、ロス(自分の館では利用が少ない資料)が多く、年々減少する資料費とのかねあいで契約を切ってしまいました。
もちろん、ベル契約を続けている他の分館に遅れはとれないので、Tool−iを通じたクイックサービスを活用しています。(特に用語に解説しないですみません)
おかげで、毎週10冊、年間400冊のブックコートをひとりシコシコやってきました。
夏休みのあたりからですが、今まで事務室でコツコツやっていたブックコート掛けをカウンターの一角で作業することにしました。
理由は二つあって、一つは独り事務室でブックコート作業は我ながら“暗い”と思ったから。もう一つは、残された日々を一刻でも多くカウンターに立ちたい、というものです。
けだし、同業者の方にとっては、
「カウンターで作業するなんてもってのほか!ヽ(#`Д´)ノ」
という向きもおありかと思いますが…
とりあえず、興味津津にのぞく利用者さんも多く、デパートの実演のような状態になってしまいました。
「ほう、さすが司書さんは上手い!」
というおほめの言葉もいただき、とりあえず愛想笑いは浮かべますが、
「市民の方々の司書の見方はこんなものか?!」
内心毒づいたりしています。

で、かれこれ半年、意外な効果がありました!

汚破損本が減少しています!
対前年比25%!

思い当たることといえば、例の“ブックコート実演”。
そういえば、作業中耳にしたのは
子「わぁ、大変そぅ」
親「そ、だから本は乱暴にしちゃダメよ」

「本は市民みんなのものです。大切に!」
と、何度叫んでも通じなかったコト、態度で示すことで変わってきました。

で、思ったんですが…
最近オープンキッチンのレストランが増えてきました。
オープン キッチンの最大のメリットは、料理人がお客様を直接見ることができること。自分が料理したものを食べたお客の満足ぶりを見たらモチベーションは高まりますし、一方客からみれば、料理人とその働きぶりを目の当たりにすることで、期待感や安心感というものが唾とともに湧き出てくることでしょう。

この“オープンキッチン”の思想を図書館にあてはめてみたらどうでしょうか?
民営化・指定管理の是非をめぐる論争や闘争の中で
窓口業務委託
というのが一つの“妥協点”として受け入れられつつありますが、だからこそ、バックヤードを「見える化」する意義は大きいと思います。時給千円にも満たない若い委託社員がカウンターであくせくしている一方で、年収800万以上のエエ年したオジオバがふんぞりかえり、“司書は選書が仕事”と唯我独尊ぶりを発揮している…そんな図書館職員格差を可視化することでも十分意義があると思いますが…

まぁ、そういう座りきり司書に限って、「図書館の自由」を理由(イイワケ)にして、猛反対するんでしょうが…