目録は集中、OPACは分散

一昔まえ(1980年代)に建築された図書館に行くと、妙に中途半端な位置にOPACが並べられている光景に出くわします。
おおかた、カード式目録が鎮座していた場所がそのまま利用者開放端末にとってかわったのでしょう。
前回のエントリーで、「通りすがり」さんから
「地元の図書館はワンフロアで無駄に広く端にあるOPACまで歩くのが面倒」
な声をいただきました。
なるほどそのとおりだと思います。
電算機導入を前提とした最近の建築では、OPACをあちこちに配置していることも多いのですが、建築後に電算化された館では、回線工事費の節減などで一か所にまとめて配置する場合が多いようです。ひどい例になると、二階建ての館でもOPACは一階正面玄関わきのみ、ということも。
OPACをまとめて配置することは、管理上でも楽なのでしょうが、これも利用者の使い勝手よりも図書館側の都合が優先されているのかもしれません。
以前、オールドタイプの図書館員から聞いたことですが、彼曰く、
「最近の図書館はWebサービスばかりに力を入れているが、来館者優先ということを知らないのか? インターネットをやっている人だけのサービスに力を入れるのは“不公平”だ」
というものです。
この人のように、Web−OPACなどのサービスに冷淡な図書館員は多いです。公共図書館においてWebサービスの進展が質量ともに遅れたのは「来館者サービス」のみ力を入れないという職員の態度にも原因があるといえます。さらに言及すれば、市民のごく一部である来館者にサービスするだけで自己満足し、その外側にある多くの市民群について想像だにしなかった図書館職員の発想の貧困も視えてくるというものです。

で、件のような図書館員について…
“来館者サービス”の重要性はだれもが認めるところです。
ならば、使い勝手のいい館内OPACの開発、利用者目線での配置・工夫をすることも重要です。
彼らは努力をしたでしょうかね?