『みんなの図書館』2月号を“読破”してみようとする

(注)1/26追記いたしました。職業人として不適切な発言をおわびいたいます
安心いたしました。

実は
・みんなの図書館2010年2月号が出ました
 http://tomonken-weekly.seesaa.net/article/138374476.html
特集を読んでおりましても、さっぱり訳がわからないので。もともと読解力について、自己評価は低かったので、かなり凹みました。えぇ、そりゃもう…。
が、id:yoshim32さんが「読書ノートのつもり?なつれづれ日記」の中で

・みんなの図書館 2月号について
 http://d.hatena.ne.jp/yoshim32/20100118/1263792237

やはり「???」のご様子で、
「あぁ、自分独りじゃないのだなぁ」
胸をなでおろした次第です。

自分としては、表現と内容の両面において“整理されていない”ことを指摘したいと思います。

まず、表現としては座談会そのものがとりとめのない会話という印象を受けます。会話というものは、キャッチボールにたとえられますけど、この「座談会」では、人数がまず多すぎる(8人)ことが問題。雑誌等の企画では対談といえば2人または鼎談が望ましく、多くても4人までにとどめておくことが賢明。
なおかつ、この座談会は議論によって問題を解決していこうとするときに避けるべきことが多いようです。
まず発言者が個々の私的な思いをそのまま好き勝手に述べていること。しかも、直前の発言を受けることなく発言しているために、流れが急変したり停止したりしてしまっている。発言者の中には、読者のことはもとより他の出席者の発言にも配慮していない様子がうかがえるのが残念でした。まぁ、さきほどのキャッチボールになぞらえると、8人が8個のボールを投げているということでしょうか…

次に内容のほうですが…
このごちゃごちゃした感じ、職員問題を扱った先の全国図書館大会の第2分科会に参加したとき、例の“委員長(もちろん図問研幹部)”の実に聴き難いまとまりのない発言を思い出しました。どうやら、この「職員問題」はぶっちゃけ荷が重すぎるのでしょう。“問題解決”しようにもまったく実情も先も“見えない”がため、むしろ、問題点を雑多に羅列するだけで“お茶をにごす”ことを決め込み、結果「職員問題、真剣に議論していますヨ」というポーズ取りに終始しているように思えてなりません。
このような態度での発言は、いたずらに問題を複雑かつ冗漫にするだけで、百害あって一利なしと思います。いま、必要なことは“お茶をにごす”ことではなく、
“整理する”
ことです。
具体的に述べます。
いまの職員問題とかワーキングプア、二つの側面から分類します。

  1. 労働界全体の問題(賃金・雇用)
  2. 図書館固有の問題(専門職制度など)

このうち「労働界全体の問題」は、我が国就労構造から発する問題で、図書館界だけで解決できる問題ではないのです。
まぁ、
“万国の労働者団結せよ”
ということですが、もちろん労働組合などを交えた議論があってもいい(ちなみに、私は今の自治労をはじめとした労働組合の現状に満足も好感もおぼえておりませんが、労働組合そのものの意義については重要と認識しています)、そのためにも、議論や情報提供、意見交換などの基礎的なジョーシキを図書館をとりしきっていらっしゃる大先輩には勉強してほしいと思います。

あと、個人的な雑感を二つ

この座談会は5つのテーマからなりますが、最初のテーマが
「職務は分けられるのか」
なんです。(さきほど“整理することが苦手な人たち”とダメ出ししてしまったお歴々が、まずこのテーマからはじめていたことを苦笑してしまうのですがw)
気になるのは、冒頭で司会の方が
「業務委託が入ることによって(職務を)分けざるを得なくなった」
と発言していること。これは違和感(というより不快感)を覚えました。
一つは、職務分けのきっかけを「業務委託」にしていること。これはその前から続いている「非正規(臨時・嘱託)職員」の流れを無視していますし、そもそも、職務分けについてはかなり前(1999年ごろ)から
・専門性の確立と強化を目指す研修事業検討WG(第2次)
 http://www.jla.or.jp/kenshu/kenshuwg/index.html
などで、司書職の専門性確立の見地から議論を重ねてきたという経過があり、そのいきさつや成果を省みることなく、相変わらずの
“業務委託がみんな悪い”
的なノリで話を進めようとしていることでした。
(ちなみに、このWGによる業務分析が、一人歩きのかたちで部分委託に活用されてしまったと、私は考えていますが)

もうひとつ、
前述のとおり、この座談会は
正規職員4人(司会含む)
委託・NPO4人
の計8名で行われているのですが、しゃべっているのはほとんど(私の見立てでは約8割以上)正規4人。うがった見方ですが、委託・NPO4人は案外アリバイづくりで参加させたようなもので(もし、そうでないのだとしたら、司会及び正規はもう少し発言を促すなど発言の均等を図る配慮をすべきです)少々不満というか違和感を感じました。

結論、
私はこれを
読破!
すべきと思います。

えっ、なに???
読破って
んで
の略じゃないの?

こりゃまた、失礼いたしました!