私の都道府県、レファレンスは貸出利用の消費税分です。

野田政権、支持率・高感度ともに上々の滑り出しのようですが、一応最低限度の“おねがい”として、様々な課題にぶち当たったときに逃げたり先送りしたりせず正面から対峙する姿勢を求めたいと思います。
さて、このブログでも「図書館史」に言及した以上、なるべく正面から対峙したいと思いますが、昔から「鬼ごっこ」のような遊びでも、常に奇手を使わなければ、気が済まない性分ですから、逃げたふりをして搦め手を突きたいと思います。
kabe_dtk様がいつぞやの(なんという失礼!)コメントで、

貸出って数値化しやすいから行政にアピールしやすく,多摩地区の貸出が落ち込んできた頃,日野を手本にした浦安市立図書館(これは竹内館長から直接聞いた話)が大ブレークして,貸出数と資料費から「税金還元」というアピール方法を確率,他の自治体も追従。レファレンスやビジネス支援(地場産業支援・紹介)なども昔から行っていた図書館はあったのに,「貸出重視」から「図書館無料貸本論」で攻撃されるようになってしまったのは,悲しいものがありますね。

まさにまさに! 御意御意!
あえて、つけ加えれば、“貸出って数値化しやすい”から“行政にアピールしや”すいだけではなく、“図書館員にとっても自画自賛しやすい”存在であったとも思うのです。
図書館を「市民の日常生活における問題解決の場」とか「調査研究型図書館」ということで、この「貸出重視」への流れに“対抗”する流れもありましたが、同時に両者の合いの子ともいうべきケースもうまれてきます。
その一つの取組として、「目には目を…」じゃないけど「レファレンス統計重視」という試みもありました。
私の館では、レファレンス統計を以下の項目

  • 新規利用申込者の数
  • 貸出利用者数×0.05
  • (いわゆる)レファレンス件数

の総和したものを用いました。
あまりにもバカバカしいので詳細は忘れてしまっていて、多少違いがあるかもしれませんが、これを「都道府県ぐるみ」でやっていました*1
一番最後の「(いわゆる)レファレンス件数」だけで十分じゃないか、屋上屋とはこのことです。
そのほかの“水増し項目”についてですが、

  • 新規利用申込者の数

というのは、新たに利用しようとする方に、通り一遍の「ご案内」をするからで、それが「利用案内」としてカウントされるから。これはまだハナシとしては理解できます。
問題は、

  • 貸出利用者数×0.05

ですね。先輩の方からの「伝聞」ですが、
「カウンター利用者のうち20名に1名は質問をする」
のが「根拠」とか…
この真偽についてはわかりませんが、説得力があるような気もするし、丼勘定以下のような積算ともいえます。
が、このおかげで数年前、ある職能団体のレファレンスに関する退屈きわまりない講義の中で講師センセーが「都道府県民一人あたりのレファレンス件数」を紹介しましたが、上記のような「ゲタ履き統計」ですからトーゼン平均値を大きく上回る数値を示しまして、絶賛していたのを見聞きして、笑いをこらえるのに大変だったこともありましたね。
で、
カウンター利用者のうち20名に1名は質問をする→貸出利用者数×0.05
のからくりですが、よく考えると、×0.05とは5%。ちょうど消費税分ですね…
野田政権の財源確保のなりゆきによっては、今後わが県のレファレンス統計も「見直し」されるかもしれません。

*1:当該都道府県図書館協議会の取り決め事項