【勝手に】貸出履歴云々でレコメンド反対の輩はまず我が首級挙げられよ【図書館戦国時代】

(3/11追記しました)
10年以上前の話です。
司書としてはじめて接した現場は、「移動図書館=BM」でした。
自分としては、レファレンス・ツールを巧みに操りクエスチョンを次々とさばいていく参考調査業務担当こそが司書の王道であると考えていたので、正直つまらないものを感じていましたし*1、当時我が市のBMは2・3年で廃止ということで、図書館幹部・教育委員会・行政幹部でも予定していたいきさつがあったので、いかにも日陰者扱いというのが面白くありませんでした。
ここで、“青年将校*2”としては、Book Mobileを“機動図書館”と称して、結構好き勝手やらせてもらいました。ハイ。
で、結果として、“暴走する機動図書館”はあれよあれよという間に3年間で1.6倍の利用(貸出冊数)を伸ばしてしまい*3、地元紙や地方版にとりあげられたこともあり*4、いつの間にやら廃止という声は鳴りをひそめてしまって、あれから10年近くが経過しているにもかかわらず、今日も元気に巡回しているとのことです。
利用を増やした方策として「反省」しているのが「レコメンドサービス」。もちろん、このレコメンド、アナログというか、人力でやるのがポイント。
“××公園の奥さまはアツアツな恋愛小説が好み”
“◎◎横丁のおじいさんはおっとりとした風貌に似合わずハードボイルド要素を含んだ時代小説がお好き”
といった情報をもとに、その人その人が好むと思われる本をオススメしていくのが人力レコメンドの真相。もちろん、誰がどんな本を借りて、どんな感想を述べていたか、とかはバレるとマズいからメモだのの記録は一切とらない、残さないということでやっておりました*5

で、さて時計を今に戻しますよ…

みなさま御承知のとおり、OPACを介した「レコメンドサービス」については、貸出履歴の活用について「図書館の自由」の見地からよくいえばあまりも慎重な、悪く言えば堂々巡りをしております

「貸出履歴は消しちゃえ」

こう言われても、弱っちゃうんですよね。当時、頭に刻み込んだモロモロは消せといわれてもなかなか消せないんですよね*6

本当に消すなら、首を切るしかない!!

どうやら人力レコメンドの最大の欠点はこのへんかなぁ…って考えもします。

で、さて。反対の方々いかがでしょう。若い方々の有意義な調査研究

公共図書館における利用履歴の活用に関する意識調査
 http://hdl.handle.net/2241/103991

が賞味期限が切れるよりも、いっそ死に体の小生の首、刎ねちゃったほうがいいと思いますヨ

おわびとお願い

皆様、毎度のことですみませんが、お見苦しいものをお見せし、申し訳ございませんでした。
実は上のエントリ、「下書き」用の未完の原稿だったのですが、(はてなダイアリお使いの方はおわかりでしょうが)「下書き保存」のつもりで保存>アップしてしまったのが原因であります。
いまのところ「年度末のあいさつ」を常にトップに設定しておりますのでミスに気づかず、今日になって続きをしようかと管理画面「下書き一覧」から原稿が失せているのを知り、ようやく気がついた次第です。(^-^;)
改めて、上のエントリを見てみれば、「下書き」ゆえの雑さや内容の良し悪しはともかく、最後の「首はねよ」は悪趣味で正気の沙汰ではない*7にしても、妙にタイトルとの整合性があるというか、なまじオチがついてしまっているから余計に始末が悪いですね。ブクマも10user(2010.3.11現在)もついていて、誰も尻切れトンボに気がつかないとは…
で、続き書きます。前半アップした部分はとりあえずそのままにしておきます。
いつもながら、どうもすみませんでした。皆様

つづき

まぁ、自分自身としては、とりあえず3月末で司書「クビ」がほぼ決定なので、やぶれかぶれにそう叫んではみましたが、やはり不満ですよ。「クビ」に未練はありませんが、同時に以上のようなことを以てクビというのは不満。
私としては図書館員の原点ともいえる
利用者を知り、
資料を知り、
利用者と資料結びつける

こと、わけても利用者を知る〜利用者がどのような資料を必要としているのか、それに. 応えうる資料はなにか〜ということに全精力を傾けてきたつもりです。
賢明なる皆様はもう御承知のことですが
個々人のプライバシーは尊重されなければなりません。
が、図書館員は(励めば励むほど)利用者の趣味嗜好などに踏むいらなければならない因果な商売だと思います。
それゆえ、図書館員には確固とした信念・モラルをもって職務に臨まなければなりません。その行動規範として、「図書館の自由に関する宣言」「図書館員の倫理綱領
などがあるのだと思います。
以前、図書館の自由に関する見地からコンピュータから貸出履歴を削除すること*8を、私は「くさいものにフタ」と評したことがありました。
私は「図書館の自由に関する宣言」というのは真の意味での図書館サービス具現化にむけての行動規範=手段にすぎないと思いますが、最近の“図書館の自由を守る”人たちは、手段を目的に置き換えてしまっているような印象があります。そのような図書館人が多いこと、私には無念でたまりません。

*1:結局、最後の最後までレファレンス・カウンターに座れずじまいでした。あ〜あ

*2:当時はまだ“青年”だった。当たり前か…

*3:この記述からもわかるとおり、筆者は筋金入りの「貸出至上主義者」である。(ちなみにそのあとの学校図書館では3年間で貸出冊数2.5倍、公民館図書室では3年間で1.4倍に増やした。)ただし“貸出を伸ばす”ということをあまりにも簡単に達成した経験を有するが故、この種行為に重きや信頼をまったくおいていない

*4:我が市行政が、新聞に好意的かつ期待に満ちた記事を書かれるという機会が少ないので、この記事はかなり目立ったし、吹聴された

*5:もっとも、メモをとるような几帳面な人間ではありませんでした。でも若いからつとまったんだろうなぁ。記憶力の衰えた今じゃ無理だろうなぁ

*6:「忘れたいことを忘れられる人は幸せだ」っていうセリフをどこかで聴いたような…あぁ、そうだ。喜歌劇“こうもり”だ。

*7:本人が自分でいうのだから、間違いないだろう

*8:コンピュータから貸出履歴を消すことは、一見合理的にも感じられます。特に秘密の漏えい等には効果的な手段であるように思いますが、それでも、コンピュータには現在利用者の個人情報(氏名・住所・生年月日など)に加えて現在利用中資料、予約資料の書誌情報が入っており、これらまで消去してしまえば、図書館業務そのものが成立しない、つまりコンピュータの漏えい防止そのものに重点がおかれなくてはなりません。つまり、履歴の削除はシステム運営上、あまり意味をなさない工夫だとおもいますが…