図書館員の意外なWeb活用?

以前のエントリおよび「たりき氏」の補足で、岡崎市は「プロポーサブル」方式で、三菱電機インフォメーションサービスを「Web対応」と「セキュリティ」に高い評価を得て採用したことが明らかになりました。
ハードそのものでは価格・性能ともに、甲乙つけがたい現状がありますから、まずはソウフトウエアを選択し、それを理由に随意契約をするとは、まったくよくしたものです。(その点、同じミツビシでも戦前戦中のヒトは偉かったと思います。零式艦上戦闘機(=零戦*1)を設計した堀越氏は、零戦の開発にあたって自社製品を使わず、中島飛行機のエンジンを採用しましたから…)

個人的に疑問を感じるのは、岡崎市がなぜ「Web対応」と「セキュリティ」に高評価を与えたことかということです。
「セキュリティ」については、最終的に致命傷とはなったものの、選定当時は“CMMIレベル5”という指標を得ていたのですから、説明としてはじゅうぶん成立します。
他方「Web対応」については、疑問が残ります。なぜなら、高評価にふさわしいWeb-OPACとは、決して見えないからです。
もし、自分がこの製品について、高評価を与えるように言われたら、

の3点を備えた、たとえば

・フェニックス公共(市立)図書館(phoenixpubliclibrary)
 http://www.phoenixpubliclibrary.org/default.jsp

これくらいやって見せろ、と言いたくなりますね。私なら…

ならば、なぜ「Web機能」に高得点を配したか、ということで、私の憶測ですが、
部内外にコンセンサスを得るのに都合がいいから
としか、思えません。
「Web機能」に高得点を出しておけば、誰も文句をいわない(いえない)からです。

私は、でっちあげで、ポンコツWeb−OPACへ投資することは、二重の意味で岡崎市にとりマイナスだと思います。市民の利用に供するため、市民の税金を投じることですから。
まぁ、岡崎市立図書館の中の人にとっては、自分たちの都合(使い勝手など)と“目に見える”来館者こそがすべてであり、“目に見えない”Web利用者はどうでもよろしい存在だったのでしょう。だからこそ、高得点をためらうことなく配点したのだと…
巷では
公共図書館の人間はWebの活用が下手」
といわれますが、なかなかどうして…

*1:ちなみに、よく「ゼロセン」と呼ぶ人がいるが、これは“非国民”。「ゼロ=ZEROは敵性外国語。「れいせん」と読むのが正しい