図書館関係団体の“指定管理者・委託反対運動”はあと数年で終息します

日本図書館協会(=JLA)のリニューアル

私のように“宵越しの銭は持たない”気質の者ではあっても、さすがに“四捨五入して50代”ともなれば、老後のこともそれなりに関心はでてきます。特に、公的年金の支給開始年齢が大いに気になるところです。
ところで、閑話休題
最近、リニューアルされたことが“twitter”において評判になっていた

日本図書館協会(公式)
 http://www.jla.or.jp/

を今更ながらに拝見。退会届を出してから久々のことです。
意匠とか機能とかはこの際、どうでもいいのですが、傍目に気になるのは、この公式ホームページ、
“誰に読んでもらいたいのか”
というメッセージ性が全く伝わらないのが欠点。カンケイシャに云わせれば、おそらく
“会員と図書館に関心ある方々のために”
という答えがまぁ、予期されるけど、“会員”はともかく、“関心ある方々”に対するコンテンツが魅力・質量ともに徹底的に不足しています。

・理事長あいさつ
 http://www.jla.or.jp/jla/goaisatsu/tabid/336/Default.aspx

では、

とうていHPで必要なすべてを伝えきれるものではないが、そこからさらに知りたいという関心、知る手がかりは限りなく広がっているのだ、ということを感じせしめるような良質の情報源となることが重要でしょう。

この
“とうていHPで必要なすべてを伝えきれるものではない”
たしかにそうなのでしょうけど、JLA最高責任者としてはいただけません。
先週、「日本図書館大会」が開催されましたが、遠方で参加できない方も多いし、「図書館雑誌」では、違法行為に関する反論をボツにするようなこともありました
そうした全会員の思いや立場にかんがみ、会員限定のSNSを設置するなり少なくとも会員向けコンテンツにはもう一工夫(というより、技術的な壁は無いに等しいから、純然たる「やる気」の問題)あるべきでしょう。
また、“対会員以外”について、比べるべくもありませんが、

・Celebrate autumn @ your library
 http://ala.org/ala/newspresscenter/news/pr.cfm?id=8285

という、オシャレなコンテンツ満載の

・ALA〜American Library Association
 http://www.ala.org/index.cfm

を見習ってほしいものです。
協会の「外」に向けた情報・コンテンツを充実することは、「新入会員」の呼び水になるはずですが…

協会内の“世代間扶養”の崩壊

さて、「新入会員」というコトバが出てきたところで、話題は変わります。
私のように“宵越しの銭は持たない”気質の者ではあっても、さすがに“四捨五入して50代”ともなれば、老後のこともそれなりに関心はでてきます。特に、公的年金の支給開始年齢が大いに気になるところです。
JLAといえば、私の在籍期間は10数年はまさに日本経済でいう「失われた10年」でもありました。
入会してすぐ「茅場町新館」が開設され、そのしわよせで会費が大幅に値上げされ、以後「財政問題」はJLAにとってもっともアタマの痛いところでした。
今日、会員数は7000人程度、均衡を保っているようですが、平均年齢はどうなのでしょうか?
実は、JLAには「終身会員」制度があります。これは、満55歳以上の個人会員が会費を10年分前納した場合、以後の会費は納めなくともよい。つまり一生涯会員でいられるワケです。
このような「終身会員」にも「図書館雑誌」を送付するなど、一定の費用がかかりますから、ちょうど公的年金の世代間扶養と似たようなシステムです。
“一生涯図書館協会会員”というのは悪くありませんが、年金問題と同様これらの方々を“扶養”する“就労”している“個人会員”がぞくぞく“終身会員”になれば協会財政は確実に破たんします。
おそらく、幹部も気がつかないワケじゃないでしょうが、おそらく幹部の多数が“終身会員”か“その目前”である方が大多数を占める以上、見ざるを決め込んでいるでしょう。

JLAによる「反委託・指定管理者路線」は終息に

これも公的年金問題を考えるうちに思いついたことにすぎませんが、現在指定管理者制度や民間委託を“望ましくない”として実質的に「否定」しているJLAですが、近い将来「反対運動」から手を引くことになりましょう。別に現状を追認することでも、急にものわかりがよくなったワケでもないのです。今後公的年金の支給開始年齢は引きあげられます。定年退職を迎えた司書は当然、年金の支給開始まで退職金を取り崩すワケですが、そこで、一日6時間・週30時間という労働条件はピッタリだし、社会保険にも加入できるし、賃金の方も安くても無いよりまし、というワケで定年退職をした正規公務員司書にとって、委託受託者・指定管理者は願ったりの再雇用先です。
このような動きに進む以上、JLAとしてももはや“望ましくない”という意見は“総意”からなくなることでしょうね。